普天間飛行場に着陸するオスプレイの隊長機=2日午後0時5分すぎ
反オスプレイ世界に 米市民が県民にエール
2012年10月1日 09時43分 沖縄タイムス
墜落事故が相次ぎ安全性と下降気流による影響が懸念される米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、米本国では訓練計画の見直しが相次いでいる。オスプレイの低空飛行訓練に住民が反対して計画が一時棚上げとなっているニューメキシコと、米軍との定期的な意見交換を通じて飛行コースを変えるなど航空機騒音の被害を最小限に抑えているハワイ。十分な説明もないままに住民の意向を無視して訓練が強行される沖縄と米本国との二重基準が浮かび上がる。(1面参照)
【平安名純代・米国特約記者】「住民が望まないオスプレイの飛行訓練計画は世界規模で中止するべきだ。日米市民の手で計画を阻止しよう」-米ニューメキシコ州で空軍垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの飛行訓練計画に反対する米市民団体「ピースフル・スカイズ連合」が沖縄県民にエールを送っている。
同州タオスで8月末に開かれた集会には、市民約60人が参加。オスプレイ配備をめぐり、抗議活動が展開されている沖縄の現状も紹介し、世界規模でオスプレイ飛行訓練計画の中止を訴えていくことで一致した。
27日までに沖縄タイムスの電話取材に応じた同連合のキャロル・ミラー会長は「全世界にある米軍施設数は4999。米国は軍拡に歯止めがかけられない。基地を維持するために計画を立案し、武器を生産している」と批判した。
巨額な費用を要するオスプレイは、米議会の強い支持を受けて開発・生産されてきたとし「国を守る役目の軍が住民の生活をおびやかす。おかしいと市民が声を上げ、反対を訴えなければならない」と指摘。「世界規模でオスプレイの飛行訓練ができなくなるようにすることが大事だ」と訴えた。
米空軍は2010年、同州北部のキャノン空軍基地一帯の人口の少ない地域で、地上90メートルの低空飛行訓練を夜間に年間約700回実施する計画を公表。しかし、州内にある世界遺産に登録された先住民住居区タオス・プエブロなどの住民らが強く反対。訓練空域の4市も計画中止を要請する決議案を可決。これを受け、米軍は6月に計画の一時棚上げを発表した。来年1月に最終判断する見通しとなっている。