つれづれ 2

庭の花や身近な出来事などを退屈しのぎにあれこれ綴っています。

浅川に沿って 大和田橋から浅川橋まで

2014-06-23 10:01:44 | 馬場先生の野外講座


流域紀行八王子ー風景に歴史を訪ねて

6月21日、前回の続きの大和田橋から浅川橋までを歩きました。そのあと
甲州街道最大の宿場町だった八王子十五宿の東半部を巡ってきました。

八王子十五宿とは
新町・横山宿・本宿・八日市宿・子安宿・寺町・八幡宿・八木宿・横町・本郷宿・
久保宿・嶋之坊宿・小門宿・上野原宿・馬乗宿・の総称だそうです。
八王子横山十五宿、八王子宿とも云うそうです

何やら難しい感じですが、今はもう宿の面影は残っていない事から
その所在地を守っている社寺を訪ね往時を偲ぶと云うコースです。

NHK文化センター前に集合、回り道をして大和田橋に出ました。
最初に市守神社・大鳥神社へ…ここはお酉様で良く知られている神社です。
境内で八王子横山十五宿の詳しい説明や八王子市になるまでの来歴など
馬場先生からお話を、お聞きしてから大和田橋に向かいました。


途中、十王堂を過ぎたところに、鍵の手(枡形)になっている
江戸時代の名残りの道型が残っていました。

永福稲荷。生姜祭りで有名です。



この隣に接している公園には「史跡一里塚跡」の碑が立っていました。
江戸時代の地名は竹の鼻・船森と呼んだ様です。



馬場先生より配られた、竹の鼻・船森:図会です。
「八王子名勝志」(八王子市郷土資料館シリーズ第53号)より
(色鉛筆で塗って見ました。)
「浅川を越え八王子町入り口の竹の鼻に槻の大樹4,5本ありて今は枯朽せる樹多し。
ここより子安明神の社木まで古は森の形船に似たるゆえ名付けたりとぞ。
竹の鼻の森の形は船のみよしにて子安の社地は船のともに似たりと土人のいう。
いまは子安の社地とここにあるばかりなり」…と。 (馬場先生のプリントより)
 


大和田橋から浅川の左岸の堤を歩き浅川を遡ります。



時折、爽やかな風が川面から渡ってきて心地よい気分で歩きました。



浅川橋の上から下流を見ています。



これより八王子横山十五宿の東半部の社寺を巡ります。

大横町にある極楽寺。 重厚な山門です。



永正元年(1504)に起立して僧鎭譽を開山とする…
山内には本堂、庫裏、鐘楼、弁天堂、通用門が整い
八王子市街地内で随一の風格を持つ寺院です。



墓地には玉田院の墓があります。
武田氏滅亡の折、松姫様と共に八王子に逃れ後に出家し
慶長13年7月に没しました。29歳でした。
後に正徳5年(1715年)に極楽寺に改葬されています。
玉田院さんは松姫様より早く亡くなられたそうです。
両側のお墓は侍女達でしょうか…



塩野適斎の墓。
桑都日記の編集者で八王子千人同心の組頭でした。



境内にある長田左衛門の墓。

さすがは極楽寺は古刹だと思いました。


元横山町にある妙薬寺です。明徳2年(1391)創建され、戦後再建されています。



奥の一角に横山氏の供養塔があります。



次の大義寺も元横山町にありました。八幡神社の別当。



境内の墓地の中には一風変わった墓があります。
土の上に大きな石を重ねただけのお墓…
明治の教育学者奥津雁江のお墓です。
学校がほとんどない時代に私学校を設立した人です。



八幡・八雲神社。 元横山町にあります。八王子東部七宿の鎮守社。
二柱の神社を祀っています。未社の横山神社も境内にありました。



八王子三日月庵で昼食。
天とろセットです。冷たいお蕎麦が美味しかったです。



妙経寺。寺町にあります。
明治中期に小島妙静が鬼子母神堂として創設し戦後、妙経寺と併せました。



念仏院。上野町にあります。
元禄12年(1699)千人同心などの協力により鋳造され、時の鐘で名高い所です。



天満神社。上野町にあります。
寛永3年(1636)金剛院開山の眞清が勧請し、昭和31年に再建。



(上野町にある「法連寺」と「本立寺」は写真に人物が沢山入ってしまったので割愛します)

長心寺。寺町にあります。
現本堂は戦後に再建されました。
芭蕉の句碑「西行の草鞋もかかれ栢の露」があります。



今日最後の興林寺。子安町にあります
天文12年(1543)創建と伝えられます。
本堂は太平洋戦争の戦火で焼失し昭和40年に再建されています。


境内の歴代住職のお墓から発見されたという弘安6年緑泥片の「板碑」があります。




江戸時代甲州街道の最大の宿場町であった横山宿の流れを引き継いだ
八王子商店街も現在はもう買い物をする人も大分少なくなってきています。

近代的な高層ビルやマンションが立ち並び景観も変貌しています。
こんな機会に僅かながらも往時を留めている寺院を巡れた事は
いい探訪の一日であったと思っています。




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