今日の「お気に入り」は、昨日と同じ作家水上勉さんの「親子の絆についての断想」と題した文章の続きです。
「オーデンセは、古い面影を隅々にのこしているのでアンデルセンの球根を物語る森や、公園や、石畳の町が息づいているように思えた。だが、宿で考えたことは、十四歳で出たアンデルセンが、イヤだと思った隣人や、母や、第二の父との絆をその後いかに大切に抱き直して旅したかということだった。七十一で死亡するまで、帰らなかったということの内面についてであった。彼の数多い童話の根底に流れるものは、少年時の原体験にさかのぼっての空想と夢であったと気づいた。」
(山田太一編「生きるかなしみ」ちくま文庫 所収)
「オーデンセは、古い面影を隅々にのこしているのでアンデルセンの球根を物語る森や、公園や、石畳の町が息づいているように思えた。だが、宿で考えたことは、十四歳で出たアンデルセンが、イヤだと思った隣人や、母や、第二の父との絆をその後いかに大切に抱き直して旅したかということだった。七十一で死亡するまで、帰らなかったということの内面についてであった。彼の数多い童話の根底に流れるものは、少年時の原体験にさかのぼっての空想と夢であったと気づいた。」
(山田太一編「生きるかなしみ」ちくま文庫 所収)
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