「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

旅に出なさい Long Good-bye 2023・03・17

2023-03-17 05:43:00 | Weblog



  今日の「 お気に入り 」は 、伊集院静( 1950年〈 昭和25年 〉2月9日 -  )さん
  の随筆から スクラップ 。備忘のため 。

  「 人類の最初の旅を十二 、三歳で想った日があっ
   た 。ネアンデルタール人なるものを教えられた時
   である 。どうやら私たちの種の誕生はアフリカの
   高原にあるらしいと言われた 。
   『 先生 、それがどうして世界中に分布をしたので
    すか? 』
    アホな生徒の私は訊いた 。
   『 分布か? それはちょっと違うな 。私たちは風に
    よって運ばれる種を持たないし 、流浪によって辿
    り着く木の実ではないからね 』
    おう 、それはそうだ 。私は目をかがやかせて教師
   の次の言葉を待った 。
   『 人類は山を越えれば何かしあわせの土地があると
    思ったんじゃないのかね 。目の前の海に漕ぎ出せ
    ば新天地があると夢見たんじゃないだろうか 。も
    っともその考えに至るには疎外や 、迫害や 、差
    別を受けた或る一族の実態があるかもしれないが
    ね ・・・・ 』
   『 それでも山を越えたんですね 。それでも大海原
    へ小舟で漕ぎ出したんですね 』
   『 そう考えたいね 、私は ・・・・ 』
    少年の私は 、人類の 、人間の旅へむかう志しに
   ひどく感動してしまった 。」

    作家が教わった中学校の先生は 、やはり只者ではないように思われる 。
    もって生まれた資質もあるが 、 十代に 、こういう師と何人出逢えるか
   によって 、そのひとの人生は 、随分と違ったものになるのかも知れない 。
    近人に得られなければ 、古人を師とし 、友とするしかないような ・・・・ 。 

   「 旅の時間でどんな時が一番好きですか? と尋ねられる
    と 、私はいつもこう答える 。
    『 乗り物に乗って ”流れる風景 ”を見つめている時
     です 。その時間が私に安堵を与えてくれます 』
     そんなことを感じるのは 、私一人だけだろうか 。」






   ひとりの人間には 、少なくとも 、六人のご先祖さまがいる ( ^ω^)・・・ 。 

     生きてる間に出逢えるご先祖さまは多くても六人ぐらいか
                  ・・・ 私の場合は 、祖母と父母 、三人のみ 。




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