「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

2013・10・14

2013-10-14 07:00:00 | Weblog
今日の「お気に入り」。

「今までの慣例を壊していくと必ず、後ろ指をさされたり、批判されたりする。どんないいことでも必ず一割ぐらいは水をかけてくる人達がいる。後ろ指をさされても気にしない。それが人間というものだと、初めから割り切っている。
 ぼく達の国は民主主義の国だから、いいのだ。どんなにいいことをしても、批判をする人がいていい。だが、その口を封じてはいけないのだ。
 打たれ強い出る杭になることが、今の日本で生きていくためには大事。
 仕事も恋愛も結婚も、みんな好きなようにやればいい。どうせ、いろいろ言う人はいる。気にしないことだ。
 腐った空気の中で空気を読み合っていれば、自分も腐ってしまう。腐らないことが大事。」

「人間は見栄っ張りな生き物だ。いつも自分を装っている。だから打たれたくない。打たれる姿なんか人に見せたくない。
 打たれた時の弱さも、つらさも、さらけだしてしまえばいい。杭は徐々にたくましくなり、打たれても打たれても、負けない杭になる。
 『別解力』のある生き方や、△に生きる生き方は、一つのイズムに自分をがんじがらめにしない生き方である。がんばるだけでは、もろくて、壊れやすい。ところどころ、がんばらない生き方をしていると、ガラス細工のようではなく、鋼(はがね)のように、柔らかで強い『新しい人間』になる。
 自分にこだわる生き方は、自立していないといけないと思いがちだが、どっこい違うのである。誰かに寄りかかる勇気をぼくはいつも持っている。寄りかかり名人だ。甘え上手と、ぼくのことを、親友で画家の原田泰治さんはよく言う。」

(鎌田實著「〇に近い△を生きる」ポプラ新書 所収)

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