今日の「お気に入り」は、ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソア(18888-1935)の「わたしの村からは」と題した詩一篇。
「わたしの村からは見える 地上から見える限りの世界が……
だからわたしの村はほかのどこにもおとらず広い
わたしの背丈はわたしの身長でなく
わたしの視界とひとしいのだ……
都会では この丘の上のわたしの家ほど
広く生きることはできない
都会では そこここの大きな家が視野をかたく閉じ込め
地平線をかくし わたしたちの視線を空のなお彼方へと押しやる
それらはわたしたちを小さな存在にかえる 眼が与えてくれるものを奪うからだ
わたしたちを貧しくする 見ることよりほかにわたしたちの富はないからだ」
(「フェルナンド・ペソア詩選『ポルトガルの海』」池上岑夫編訳 彩流社刊 所収)
「わたしの村からは見える 地上から見える限りの世界が……
だからわたしの村はほかのどこにもおとらず広い
わたしの背丈はわたしの身長でなく
わたしの視界とひとしいのだ……
都会では この丘の上のわたしの家ほど
広く生きることはできない
都会では そこここの大きな家が視野をかたく閉じ込め
地平線をかくし わたしたちの視線を空のなお彼方へと押しやる
それらはわたしたちを小さな存在にかえる 眼が与えてくれるものを奪うからだ
わたしたちを貧しくする 見ることよりほかにわたしたちの富はないからだ」
(「フェルナンド・ペソア詩選『ポルトガルの海』」池上岑夫編訳 彩流社刊 所収)