今日の「お気に入り」は、山本夏彦さん(1915-2002)の「無想庵物語」から。
「私は一度ならず死ぬことを試みたものである。死にそこないは二度と死なないといわれているがそうか。今こうしているのは死ぬまでのひまつぶしだ。私はいついかなるときも他人だ、見物人だ。だから無想庵みたいにやきもちはやかない。やかないがやくものを愚かだとは思わない。むしろやかない自分を不健康ではないかと怪しんでいる。」
(山本夏彦著「無想庵物語」文藝春秋社刊 所収)
「私は一度ならず死ぬことを試みたものである。死にそこないは二度と死なないといわれているがそうか。今こうしているのは死ぬまでのひまつぶしだ。私はいついかなるときも他人だ、見物人だ。だから無想庵みたいにやきもちはやかない。やかないがやくものを愚かだとは思わない。むしろやかない自分を不健康ではないかと怪しんでいる。」
(山本夏彦著「無想庵物語」文藝春秋社刊 所収)