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日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

第64回JAAAクリエイティブ研究会

2011年02月10日 | 広告とか

JAAA(ジェー・スリー・エーと読むことが多い)は
"Japan Advertising Agencies Association"から。
日本広告業協会という社団法人です。

この団体の定例セミナー、今回のテーマ
「広告未来 ~これから広告はどこへ行くのですか?~」。
迷える業界に、ひと筋の光を示せるか、というところだろうか。

登壇者は、今注目の広告クリエイター3人。
アサツー ディ・ケイのバイラルディレクター木田広大氏、
電通のコミュニケーション・デザイナー岸勇希氏、
博報堂ケトルのクリエイティブ・ディレクター嶋浩一郎氏。

岸氏と嶋氏については、以前別の対談について書いたことがある。
(あ、嶋さんを博報堂って書いちゃってすみません。ケトルが抜けとる……)
このお2人、そうとうハイパーです。

くわえて木田氏、この人もマイミクGP(SUBARUレガシィ)など
話題性のあるキャンペーンを作りあげた人。役者は揃っている。
トークの内容は、この3人の個性を反映した興味深いものだった。

広告の飛び込み営業が出発点という木田氏の仕事は、
マイミクGPにしてもペプシのゲームにしても、
パッと見た瞬間、その面白さがつかめる企画。
その人の心の掴み方に、スマートさと泥臭さが共存しているようで面白い。

既に業界では若き有名人でもあるけれど、岸氏の仕事は
2人で見ることで成立する携帯ドラマとか、
iPhoneでのアナログな楽しみを提案したphonebookなど、
まったく新しい体験を提供してくれる。
広告の枠を飛び出しそう、でも広告でもある凄さ。

そして嶋氏。ケトルの社是(?)は「恋愛と戦争は手段を選ばない」。
あらゆる枠からニュートラルなアイデアで、問題を解決する。
このことをあの手この手で語る、「攻めの編集者」といった印象。
しかも話が滅法面白い(これも氏のソリューション技術の一環だと思うのだが)。
……ところで嶋さん、安斎肇さんに似てるって言われたことないですか?

いやー、でも熱かったなぁ、お三方。
結局ひと筋の光は、やっぱり自分で生みだすしかないのだろう。
でもマッチの擦り方は、いいヒントもらいましたぜ。


ところでふと気になったのが、終了後に漏れ聞こえてきた会話の一部。
「大切なのはアイデア。しかし最適、最高を考え続けるバージョンアップが必要」
という根底にあるメッセージ(これは3人とも共通していたと思う)が、
なぜか「やっぱり大事なのはアイデア、昔と同じだよ」みたいな感想に。
今の関係者がぶちあたっているのは、そのバージョンアップへの闘いなのだが……。
依然としてある見えない段差を感じたのは、気のせいなんだろうか。


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