地味ログ東洋硬化.うろつき雑記

寒い時も暑い時も、寒い場所も暑い場所も、処かまわず神出鬼没な東洋硬化の表面処理を、ポップに語ります。

2038年

2012年03月23日 23時04分24秒 | 今日の東洋硬化


一昨日、3月21日付毎日新聞コラム「水説」より。

---------------------------------------------------------------

水説:石油「輸入」国サウジ=潮田道夫

 <sui-setsu>

石油問題が日本経済の命取りになりかねないのはご承知の通り。短期的には
イラン問題が最大の焦点。しかし、これほど派手ではないが、中長期的には
もっと深刻かもしれない問題が浮上している。サウジアラビアの石油輸出能力
の急速な減退である。

英王立国際問題研究所(通称チャタムハウス)が昨年12月発表した「サウジ
アラビアの隠されたエネルギー危機」と題する報告書は衝撃的だった。サウジ
アラビアが2038年には石油の純輸入国に転落しかねないというのだ。

技術系シンクタンク「テクノバ」の大場紀章さんが、日経ビジネスオンラインに
チャタムハウス論文を踏まえて、「サウジ危機」の意味するところを解説してい
る(「そもそも」から考えるエネルギー論)。一読をお勧めする。

サウジが原油を「爆食」しているのは、成長が加速し人口も急増しているから
だ。真水を得るには石油を燃して海水の淡水化プラントを動かさなければなら
ない国柄だ。しかも近年は自動車とエアコンが急増し、いくら石油があっても追
いつかない。ガソリン価格は1リットル=13円ほど。べらぼうに安いから、節約
しようという気にならない。

サウジは民衆の不満を抑えるため、水やエネルギー価格を極端に低くしてき
た。その結果、財政赤字が膨らみ台所事情が厳しくなった。だが、補助金を切
れば民衆の暮らしを圧迫し、「アラブの春」に見舞われかねない。イランの動き
をにらんで軍事費も増やさざるをえない。

このため、サウジは原油価格を引き上げ、歳入を確保する政策に転換した模
様だ。原油価格が適正といわれた1バレル=80ドル程度から、100ドルを目
指す動きとなっているのはこのせいらしい。

日本のような石油輸入国にとって大事なのは、サウジの石油生産能力ではな
くサウジの輸出能力である。サウジの輸出能力の低下は国際石油価格の上
昇を意味し、日本への影響は計り知れない。サウジが純輸入国になるなど悪
夢というほかない。日本は全輸入量の3割がサウジ産だ。

いま、米国の「シェールガス革命」がもてはやされている。技術進歩で頁岩(け
つがん)に含まれる膨大な天然ガスが採掘できるようになった。おかげで天然
ガスの需給が緩んでいる。日本では原発を止める代わりに、天然ガスの火力
発電を強化しつつあり、なにがなし心強い材料である。

しかし、それは電力に限った話。日本のエネルギー消費全体ではまだ石油が
過半を占める。「油断」は禁物。サウジの石油純輸入国転落への備えを急げ。
(専門編集委員)


---------------------------------------------------------------

この潮田氏のコラム、社説にするには論調がやや軽いし、氏個人の「思い」が入り
込み過ぎているきらいがあると再々感じられるものの、お考えの方向性が僕と同
方向の様なので毎度楽しみに拝読しております。

で、氏が危惧なさっておられるサウジアラビアの石油減産についてですが、な~に、
サウジアラビアだけでなく全世界の石油産出量が激減し枯渇していく時期こそが我
が国の物づくり力の真価を発揮出来る時と、弊ブログ昨年10月30日に記事を上げ
ておりました。

ご参照下さいませ。
   ↓   ↓
オーランチオキトリウムとボトリオコッカスの改良型(榎本藻)の併せ技

遍在する埋蔵資源の採掘に依存するのではなく必要な石油資源を作ってしまおう、
との我が国発のイノベーションが世界を席巻するタイミングは、原油採掘のコスト
が大きく上昇して生物による石油作製のコストとの逆転現象が見え始める時点だ
ろうと。潮田氏は上のコラムに、2038年が世界一の石油産出国サウジアラビアを
して石油純輸入国に転落する悪夢の年だとお書きですが、もっと早くにそうなって
しまう方が我が国にとって実は良いことなのではないかと、一昨日のコラムを読み
つつ思うことしきりでした。

科学技術が現在の水準のまま何十年間も停滞し、新しいビジョンもイノベーション
も持たぬまま、人類が破滅に向かって驀進し続けるわけがありません。未来を想
像せずにアホみたく近視眼・能天気でいることはもちろん罪ですが、未来を悲観的
に想像することこそが知的行為なのである、との(不必要な)態度をとることもまた
罪なのではなかろうか、と常々考えています。



-------------------------------------------------------
● ㈱東洋硬化へのお問い合せは当社ホームページの「お問い合せ」欄、
   または、TEL:0942-34-1387  FAX:0942-36-0520
   所在地:福岡県久留米市津福本町1978-1 へお願い致します。

● シリンダーロッド・シャフト・ピストン・フロントフォークインナーチューブ
    ・ロール等円筒形状機械部品のクロムめっき再生(クロムメッキと
   全部カタカナ書きするのではなく「クロムめっき」または「クロム鍍金」
   と書くのが日本語的には正解)が得意です。

● 窒化クロム・窒化チタンアルミ・酸化クロム・窒化チタンクロム・
    窒化チタン他、各種高硬質被膜をアークイオンプレーティング
    生成します。
● 高温耐酸化性に優れ、高硬度を保持する窒化クロムアルミ膜成膜可能
   です。

● 高硬度・平滑性・滑り性に優れたDLC( Diamond Like Carbon :
    ダイヤモンドライクカーボン)膜
の成膜可能。さらには、本邦初、DLC
   膜の再生加工も開始。

● 無電解ニッケル-リンめっきの軽金属上への析出、他被膜との積層処理
    可能です。被膜の付加価値向上にお役立て下さい。

● マグネシウム合金上へのアークイオンプレーティング成膜が可能です。
    今まで難しかったマグネシウム合金製部品への耐磨耗性付与
    ご利用下さい。

● ローター・ファン・クランクシャフト等のバランシング(回転体釣合せ)
● ラジアルクラウン研削を始めとした円筒研削加工や、内面研削・
    平面研削も行います。
 超厚付電気ニッケルめっきやフレーム溶射による、短納期での寸法・
   形状・機能の復元加工。

-------------------------------------------------------


人気blogランキングです。押してくださると嬉しいです。




福岡よかともランキング





最新の画像もっと見る

コメントを投稿