国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

ジャズの巨人が2人、組んだのなら…

2010年02月25日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
ロリンズといえば未だに存命で、ジャズ界の「最後の巨人」である。
ロリンズ節といえる特徴的なフレージングと音色の太さで聴く者を圧倒する。
また、そのアドリブはまさに「歌心」に溢れ、親しみやすいものだ。

そんなロリンズであるが、2回ほど雲隠れをしている。
1回目は唐突なことに「引退」と取られてしまったようだが、
イーストリバーにかかるウィリアムズバーグ橋の上で練習に励んでいたという。
まぁ、ロリンズほどの人であっても若い頃にはいろいろと音楽的苦労を重ねていたようだ。
今月のスイングジャーナルの表紙では、
モヒカン狩りのロリンズが、暴走族よろしく座り込んだ写真である。

そんなロリンズ、その1回目の失踪事件の前に
プレスティッジへセロニアス・モンクと吹き込みをしている。
モンクはピアニストとしても腕が立つが、
作曲家、コンポーザーとしても非常に有能な人だと思う。
モンクはピアノトリオの演奏よりも
管楽器を加えたもののほうが締まりのあるように聞こえてくるのは、
楽器の持つバランスをコントロールすることに長けているのではないか。
特にテナー奏者とは相性がいい。
ロリンズ、コルトレーン、ジョニー・グリフィン、チャーリー・ラウズと
そうそうたるメンバーがモンクと組んでいる。

ロリンズとは『ブリリアント・コーナーズ』が有名だが、
プレスティッジの
『セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ』も忘れちゃいけない。
「今宵の君は」と「幸せになりたい」の2曲ではワンホーンカルテットとして
ロリンズがブリブリに調子よく吹いている。
モンクのバッキングはしっかりとロリンズに合わせるように演奏されている。
モンクといえばあの独特の響きを想像しがちだが、
ここでのモンクは聴きやすい。
ジャズの巨人が2人、耳慣れするにはお得な1枚である。

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