国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

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トロンボーン独走の1枚

2011年10月27日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
トロンボーンという楽器がジャズにおいて中心だったのは随分と昔のことである。
もちろん今でもジャズ・ミュージシャンの中にはトロンボーンを演奏する人もいるが、
やはり昔ほど注目を集めているとは言い難い。
トロンボーンの地位が下がってしまった原因とされているのが、
やはりビ・バップの流行だという。
それまでのスイングやビック・バンドではトロンボーンの場所は、
それなりに確保されていたし、十二分に活躍もしていた。
だが、ビ・バップが流行ると、
早く刺激的な音にトロンボーンがついていくことができなくなってしまったため
残念なことに目立たなくなっていってしまったというのがよく言われている。

僕も進んでトロンボーンのアルバムを買うかといえば、
そうではないし、進んで聴くわけではない。
でも、全く嫌いというわけでもなく、それなりに気になれば買っている。
今日の1枚はそんなトロンボーンの名盤からだ。

カーティス・フラーの『ザ・マグニフィセント・トロンボーン』である。
これは『いーぐる』でたまたま耳にして、即購入に走った1枚である。
カーティス・フラーのトロンボーンは時に刺激的で、時に官能的で
まさにトロンボーンという楽器を知り尽くしたかのように演奏をする。
特にこのアルバムのB面は秀逸で、
「サムタイムズ・アイ・フィール・ライク・ア・マザーレス・チャイルド」での
たっぷりと情緒あふれる演奏は、
トロンボーンというゆったりとした音域でしかかもしだせない演奏になっている。
対して「ティバッグズ」での鋭いながらも滑らかな演奏もたまらない。
締めの「アイ・ラヴズ・ユー・ポギー」では、軽やかにスイングしながらも
胸を突くような柔らかさが心地よい。

このアルバム以来、カーティス・フラーと見ると
ついつい買ってしまうほどのトロンボーンなのだ。

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