国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

本当に簡単なプロフィール

2010年08月26日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
ジャズ専門のCDショップやレコード屋に行くと
なるほど、大量のアルバムが所狭しと並んでいる。
この中から限られた資金で選ぶのだから難しい。
普通ガイドブックなどで見て、聴いてみたいと思うものから選ぶだろう。
となると最初は有名どころからおさえていくことになる。

だが、ふっと気になるものが目に入る。
「あれ? この名前見たことがあるけど…」
キラ星のごとく存在するジャズアルバムの中で、少々地味目な輝きを放っている。
いわゆるB級と呼ばれたりもするジャズアルバムだ。
これは有名どころをA級として考えたときのB級であり
決してそのアルバムの内容が劣っているというわけではないので、勘違いのないように。

デューク・ピアソン。
ブルーノートの再発CDが出るたびにピアソンのアルバムも再発される。
有名? でもあまりジャズ喫茶でも流れることが無い。
(Lacujiで途中までは聴いたことがあるのだけど…)
いつも再発されていると、「まぁ、次の機会にでも」と思いながらズルズルと先延ばし。

ようやく手に入れたのがブルーノートに吹き込んだ初リーダー作『プロフィール』。
ブルーノートでは珍しいピアノトリオだ。
商業的には全く失敗だったらしいが、
プロデューサーのアルフレッド・ライオンはとにかく出したくて仕方がなかったようだ。
そんな様子が曲目からも分かる。
オリジナル作収録の多いブルーノートで、ピアソン作は2曲だけ。
表のジャケットには曲名もメンバーも記載されない。
ただ、「リリカル・ピアニスト」とピアソンの宣伝文句が書かれている。
これも珍しい。

内容は…
最初聴いたときちょっと軽い感じがした。
もっとゴリゴリとしたサウンドを期待していただけに、「う~ん」と思う。
だが、何度もリピートをするたびに、
ピアソンの右手に独特のひねりのような感覚が残り、
まろやかながらもコクがあることに気づく。

録音年を見てみれば1959年。
ちょうど『カインド・オブ・ブルー』が出て、ジャズに様々な変化が表れた時期でもある。
ガンガンとピアノを叩くだけではなく、
流れるようなメロディーの線があり、
ブルースでありながらもどこか明るく、ふわ~んとした印象がある。
それが良いのか悪いのかは人それぞれだと思うが、
ブルーノートも新しい音が生まれつつあるような
そんなことをにわかに伝えるアルバムになっている。

これ1枚だけだとどうもピアソンの魅力はつかみきれない。
どうやら後二枚三枚と聴いていく必要があるようだ。

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