国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

「旅」が僕の心を揺さぶるので、とりあえずメセニーを聴いてみた

2011年12月07日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
昨日、大きな仕事がひとつ終わった。
正直自分の範囲外の仕事であったのだが、
どうやら自分で乗り切るしかないという状況であり、
ここ1ヶ月ほどはそのことが頭の片隅にこびり付いていた。
成果のほどは如何ばかりであったのかは自分では実感できないのだが、
いい勉強になったと思うし、
一方で昨夜の眠りがかなり快適だったことから
随分とストレス状態にあったんだなぁと思ってしまった。

全てが終わったわけではなく、まだしばらくは関連の仕事が続くし、
他にも抱えている仕事があるため、
全く気が抜けるというわけではないのだが、
間もなく年も変わるためここら辺で「そぞろ神の物につ」かれてしまったようだ。
そして「道祖神のまねき」に心が騒がしくなってきている。

前に買った『九州ジャズロード』を取り出してみる。
僕は九州に上陸をしたことがない。
東は随分行ったが、西のジャズ喫茶に惹かれるものがあるのだ。
忙しさもあるのだが、それでも行ける時に行けるジャズ喫茶に行っておかないと
次はいつ行けるか、もしかするとその機会さえ無くなってしまうかもしれない。

そんな気分を盛り上げるためにも取り出したのが、
パット・メセニー・グループの『トラベルズ』である。
これも前に書いたがブラッド・メルドーの『ハイウェイ・ライダー』と同じく
テーマは「旅」である。
メルドーの方は聴いてみると意外に分かりやすい。

一方でメセニーの『トラベルズ』は「どこらへんが?」という疑問も浮かぶほど
「旅」というコンセプトとはまた違った様相がある。
それはひとつにライブアルバムという形式にあるのかもしれない。
だが、ジャケットに配列された小窓の写真を見ていくと、
そこから音楽への想像をかき立てられる。

メセニーはミズーリ州出身ということで、
東にも西にも属さない独特な「アメリカ」音を持っている。
それはカラカラに乾燥したような音でありながらも、方々に変幻自在と飛び跳ねる。
盟友のライル・メイズと共に古き良き、かつ新しいアメリカを旅するかのような
そんなアルバムなのだ。

「旅」には「成長」というワードも付きものだ。
今更僕の場合は成長も何もあったものではないだろう。
だが、まだ見ぬ地で聴くジャズに思いを馳せるだけでも血が騒ぐのも事実なのだ。