国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

「過去」と「未来」が結び付ける「宇宙人」の音楽

2011年12月01日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
気温が一気に下がった。
これから師走で忙しくなるというのに、先に気温の方のテンションが下がってしまい、
それに伴うように調子が悪くなって大変だ。
まぁ、そんな具合だから早く寝たらいいのだが、結局音楽を聴いてしまう。

巷ではドラマの視聴率争いで連日ネットニュースが騒がしい。
今期のドラマは、にわかドラマ視聴者からもレベルの高さを感じる。
だが、ドラマだけではなくそこに影のように寄りそう主題歌もなかなかいい。
僕は中島みゆきは好きな歌手なので、
TBS系の『南極大陸』もドラマの筋もいいのだが、
それ以上に終盤にくる「バーン」という中島みゆきの「荒野より」のテーマが流れると
「この人は何でこんなに良い曲をかけるのか?」と感動しながらも思ってしまう。

じゃあ、そんな中島みゆきの次に何を聴こうかと考えているとサン・ラが浮かんできた。
新しいラー油の名前ではない。
ミュージシャンの名前であり、ピアニストである。
当人は「土星人」であり、「地球と宇宙を行き来しながら演奏している」という
ちょっと意外で、『ムー』チックな来歴を披露している。
まぁ、お友達になるのは度胸が必要かもしれない。

だが、音楽的に全く何も怖がることはない。
土星の音楽がどんなものかは想像もできないが、
ちょうど良くも地球のジャズと近いようだ。
サン・ラのピアノはゴリゴリッとリズムを刻み、底からしっかりと支える。
コンガにマラカスなど南米的な楽器も使われていて、
確かにジャズというジャンルからは異質かもしれない。
だが、逆に古くからの伝統的な音楽とそれを宇宙につなげていくサン・ラの発想は、
かなり面白いものだ。

実はサン・ラ的な発想はアメリカの黒人音楽史の中では、
「アフロ=フューチャリズム」というらしい。
それはヒップホップの方にもうけつがれていくことになり、
決してそれが単なるキワモノという一言で片付けられるものではないことが分かる。

土星もきっと荒野が広がるのか?
だが、サン・ラの音楽には瑞々しい緑も感じられるから不思議な感じだ。