国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

ジャケットの持つ怖ろしい魔力について

2011年11月25日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
あと1ヶ月もすればクリスマスである。
世間も徐々にクリスマス色に染まりつつあるし、
何よりも某ファーストフード店のチキンのCMが輝かしい。
残念なことに僕はそちら側の宗派ではないため特に感慨がわくわけでもない。
ただ当たり前のようにクリスマスを迎え、
当たり前のように何事もなく新年を迎えることになるのは毎年のことだ。

さて、話はガラッと変わるのだが、僕は基本的にはオムニバス盤は買わない。
そもそも「ジャズを聴こう!」と思って買ったのが、
『ジャズ・スタンダード集』であり、そのスタンダード集が
僕のジャズ史において全く意味をなさずに、
ただ「寄せ集めのアルバムでは何も分からない」ことを教えてくれただけであった。
まぁ、今ではオムニバスを買っても、
それが持っているアルバムと重複してしまうだろう。

ところがである!
このオムニバス盤は「買おう!」と思った。
それが冒頭のクリスマスの話とつながる。
どうだろう、このジャケットは!
『ア・ブルーノート・クリスマス』
一応はブルーノートの名前が入っているが、
これはジャズ全盛期の頃のブルーノートとは違ったものと考えた方がいい。
だが、そのジャケットセンスは何とも言えない。
まずはパッと目を惹くのが、こちらを振り向く美女のサンタクロースだろう。
ミニスカからは長いおみ足がすらりと伸び、袋にはサックスなど楽器が入っている。
口元が涼やかな笑みを浮かべているが、どうにも言いようのない美しい笑みだ。

それもいいのだが、背景がまたいい。
どこかの古めかしいビルの壁際である。
通りには誰も姿が見えない。
こんな古通りの、もの寂しい場所で美女のサンタが微笑む。
たまらなくミスマッチでありながら、ぐっとジャケットに惹き付けられる。

肝心の音楽は?
まぁ、それはご愛敬といこう。