小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

萩原朔太郎 「およぐひと」(『月に吠える』より)

2006-07-29 23:39:37 | 
今日は、真夏日になったので、涼しげな詩を。

 およぐひとのからだはななめにのびる、
 二本の手はながくそろへてひきのばされる、
 およぐひとの心臓(こころ)はくらげのやうにすきとほる、
 およぐひとの瞳(め)はつりがねのひびきをききつつ、
 およぐひとのたましひは水のうへの月をみる。

この詩をはじめて読んだのは、たぶん、小学生のときの国語の時間だったと思いますが、ずっと印象に残っています。
泳ぐ人の美しいフォームと、水の中の静かで透明な世界が、目に浮かんでくるようです。

角川文庫のリバイバル復刊『詩集 月に吠える』で読みましたが、岩波文庫の『萩原朔太郎詩集』には入っていませんでしたので、『月に吠える』が全編収録されている本などでお読み下さい。
詩集 月に吠える

日本図書センター

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