一言感想:読後感が、良い。爽やかな気分になった。
以下、どうしても、記録しておきたいこと。
(1)「現在、早稲田大学ビジネススクールで教鞭を執る遠藤功さんも、『現場力復権』
の中で「流通業やサービス業は、『製品』というハードウェアをつくっているわけではない。
顧客との接点である現場の品質こそが、その競争力になる」と記しています。
「顧客との接点」のことを、「真実の瞬間」という言葉で表現されることがあります。(P18)
これは、かなりシビレた。「真実の瞬間」(ヤンカールソンさん著書)読まなきゃだな。
(2)買い物に来たお客さんが店内で何かを探しているようでウロウロしています。
店員さんはそんなお客さんの姿を見て、「何かお探しのモノはありますでしょうか」と
声をかけます。すると、お客さんは店内にない商品をふっと口にしました。
この瞬間、現場はお客さんの“新たなニーズ”を拾うことに成功しているのです。(P22-P23)
(3)大学卒業後、東京出版販売に入社した鈴木さんは、六カ月後に出版科学研究所に配属
されました。出版科学研究所は設立間もない研究所で、出版物普及のためのデータの収集
と分析を行うことになります。昼はフィールドワークでインタビューをして回り、夜は大学で統計と
心理学の講義を受けるといった生活で、猛勉強の毎日だったそうです。鈴木さんはデータを作る側
を経験したことで、統計の扱い方の難しさや、データを見るうえでの心理学の重要性を身をもって
学んだといいます。(P248)
(4)集中出店の効果の一つとして挙げましたが、物流の効率化は小売業にとって生産性の向上
に直結する重大な課題です。鈴木さんの「まず無駄の排除」をするという事業観は、物流の面にも
表れています。、
ミクロからのアプローチを志向するセブン-イレブンやイトーヨーカ堂のように、タイムリーに
顧客ニーズを追う単品管理を徹底するならば、発注の小口化や多頻度化が避けられません。
すると、配送トラックの積載率が下がり物流の効率化も下がってしまう、という問題が生じかねなく
なってきます。
そこで発注の小口化・多頻度化と物流の効率をいかに両立するかというのが問題となるのですが、
セブン-イレブンでは一九七六年から窓口問屋制の導入、一九八〇年代からは共同配送センター
の設置と、共同配送によってその問題を解決してきました。・・・・・・・・一度の発注が少量でも、
共同配送によって地域で集約することが可能ならば取引の絶対数は減り、トラックの積載率も下がらず、
配送距離を短縮することも可能です。(P241-P242)
単品管理と共同配送、、、、、なるほど。少量の発注で、顧客満足維持&収益最大化。なるほど。
全体最適の極み。