「経済学の宇宙」を読み切って、
さらに、岩井克人さんの本を注文したけれども、
読む本がなくて、まあ、購入したものの、「資料本として、置いておけばいいか」
と思っていたが、なぜか手に取り、読み始めた昨日。
感想:かなり誠実な本で、読む価値あり。
私が一番刺激的だったのは、まあ、三品先生+三品先生の学部ゼミ生で書いた本だからではないが、
この本全体のメッセージであると私が感じたのは「何が、総合スーパーの浮沈を決定するのか?」ということ。
その問いを解くスタートとして、「店長」をあげていたところが、「グサ――――――――――――――っ」と
ささる。
確かに、大手スーパーのブランドも大事だけれども、わたしの消費者としての実感からしても、
「品揃え」だったり、「お手頃価格」(セールや、値引きの努力)だったり、「清潔感」がキモだとすれば、大手のブランド力よりも、
現場に一番近く、現場の細々したことを決める決定権をもっている「店長」が重要だということになる。
しかし、そんなに経営は単純ではなく、「新店舗かどうか」(一般的に、既存店舗は売上がよくない)だったり、
「事業立地」だったりという、「経営者の裁量」による部分も、大きく売り上げに影響することになる。
そう考えれば、事業とは、総合的表現というか、芸術というか、「ヒト・モノ・カネ」全てが重要になることが分かる。
そして、一番刺激的だったのは、「店長」が「品揃え」や「清潔感」、そして「人財教育」に力を入れたとしても、
上位概念としての「事業立地」や「経営者の裁量」がダメであれば、いくら現場の「店長やバイト」が頑張っても、
「どうにもならない」場合があるということ。
確かに、現場がどんなに品質の良いモノを作っても、それを「適正価格」で売るような意思決定を経営者がしなければ、
製造現場に従事する人は、全く報われないという単純なことからも推察できる。
あと、イトーヨーカ堂のドミナント出店が、海外出店においても行われているというのも、かなり戦略的である。
最近、経営を〇〇することのように見ていた面もあったが、この本を読んで、かなり芸術に近いことだなあ、と思った。
〇〇の面もあるだろうけれども、○○の面が強すぎると、組織として成り立たなくなっているのも事実。
「総合スーパーの現場の品質を、どうすれば、低コストで、最高にすることができるのか???」
あるいは、
「どうすれば、最高の店長を育成できるのか???」(経営者の本音を聞いてみたい。いや、既に聞いている気もする)