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乃木将軍の旅順要塞攻撃について書かれた本を読んで

2016-01-29 07:05:23 | 日記
 乃木将軍の旅順要塞攻撃について書かれた本を読みました。作者は太平洋戦争で玉砕した孤島でものすごい経験をし、闘魂の権化のような体験を書かれた方です。

 そのような方が、なぜに乃木将軍について書かれたのか。最近の若い方には乃木将軍を知らない方も多いと思いますが、日露戦争でロシア軍がこもった旅順要塞を降伏させた将軍で、明治天皇が亡くなった時に殉死したことで有名な方です。

 乃木将軍の一般的な評価は、高潔な人格者ではあるけれども、鉄壁の守りの旅順要塞に生身の将兵を突撃させて大損害を受ることを繰り返し、指揮官としては無能といったところではないかと思います。作者はこの評価は正しくないことを言いたいがために、この作品を書かれたようです。

 作者の言いたいことを書くとしたら、原稿用紙10枚もあれば十分なのですが、この本には旅順要塞攻撃の経過を書かれています。その内容はどこかから転用してきたもののようですし、他の本からね長々と引用していますし、小説家の司馬遼太郎の書いたものまで引用しているということで、本として読む価値はほとんどないと感じました。

 作者ご本人の体験記は非常に印象深かったのですが、しょせんは物書きとしては素人なので、体験談とは関係ないノンフェクションを書くほどの能力そのものがないのは明らかであるといえます。ところが、この本を出版している出版社の雑誌に堂々と紹介記事が書かれているのでビックリ。こんな本をぜひ読んでくださいと紹介する人はいったい何を読んでいるのかなと疑問を感じました。

 この出版社は戦記物を文庫本として出版してくれるありがたい出版社ですが、もうかなりの数の文庫本を出版しているためか、最近出版される本の質がだんだんと下がってきたように感じてしまうのでありました。


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