tontonjyoのブログ

yahooから引っ越して来ました。思ったことを適当に書いています

軍事と、その他の抑止力

2010-11-12 21:46:37 | 日記


軍事的抑止力って根本的に言えば、これは単なる政治的関係の良好さで代替できるものではないよね。

よほどの確信、例えば不可侵、及び相互安全保証条約があり、互いの防衛依存が高度に進んでいるなら、相当に安心して対象国に武力の鼻先を向ける必要は極々軽度で済むだろうが、何となく経済関係が良好だとか、何となく政治的関係が良好だけでは安心できるものではない。何らかの紛争の種を抱えているなら尚更。


軍事的抑止力。当然、相手の侵攻・武力攻撃を抑え込む力だろうけど、つまりは武力的な威嚇を用いて政治目標を達成しようとする相手を封じる手段でしょ。実際は。「我々に不利な行動を行うなら、あらゆる手段を講じる用意がある。」なんて言う訳だ。

つまり「いいか俺に不利なことをすれば何時でもやっちゃうぞ。」って脅しに対して「うっせーよ。お前等が攻撃してきたら、こっちから出向いてボコボコにしてやんよ。」とか「おう、いつでも来い。でも、お前等はうちの島には入ってこれね-ぜ。つえぇ兵隊が揃ってるからよ。」って感じの表明でしょ。

結局、武力的な威嚇を使う側が「こりゃぁ。下手に手を出すとボコボコにされるなぁ。」ってことを抱くか否かの蓋然性の問題だろうなぁ。んで、その軍事的抑止力を発揮するためには相手をボコボコにできる軍備と、更に輸送して展開、作戦を遂行できる能力が必要になる訳だ。つまり戦力投射能力。

相手が侵攻してくる可能性があるとしてだよ。軍事的抑止力を語るなら政治から考えるのでは駄目だよね。備えが必要だとするなら戦力投射能力がなければ抑止力は発揮されない。そこから考えたないとどうしようもない。

政治から抑止力を考えるなら、それは軍事的抑止力とは別の抑止力。これも蓋然性の問題ではあるが、例えば相互不可侵や相互安全保証や相互防衛依存などを前提にした条約を締結すると言ったような方向性を求められる訳さ。でも、相互経済依存で日本は守られるなんてことはない。

極端な話、在日米軍含めて日本は武力の全てを捨てるとしますわ。日中の相互経済依存なんて言葉が出て来て久しいけど、例えば中国は多く国と商売しているよね。んで、普通は領土問題とかのある一国、例えば日本とだけ紛争になるんでしょ。

中国に経済的な魅力があるなら、日本の領土を奪取したくらいのことで、その他の国家との経済交流がなくなる訳ではない。中国側が計算するのは日本と対立することで起きる経済的損失が回復する度合い。莫大な資源を手に入れられるなら、そこから新たな利益を得られる。日本は武力を捨てているのだから抵抗はできない。後は経済的な損益割合の問題さ。

依存とは相手を頼り経済が成り立っている状態。つまり相手との関係がなくなれば経済は成立しなくなる。日本側からすれば領土を奪取されることにより一時は中国との経済関係が停滞したとしても、経済を成立させるため何れは中国との経済関係を修復するか、中国からの利益が一切失われてれも経済基盤を分散するかしかない。

日本は経済が低迷している、つまり経済的魅力に欠けると言うことでしょう。好調な中国よりも回復力は確実に劣るんじゃないですか。そんな国が武力を捨て中国から領土が奪取されたとして、それ以上のダメージを中国に与えられるかと言えば、「まぁ、無理でしょう。」と言う見解の方が多いと思う。

中国からして莫大な資源を埋蔵する領土を得る方が、日本との経済的関係を悪くするよりも有利だと思うなら抑止力にはならないのさ。

相互経済依存が全く抑止力にならないとは言わないよ。行動することで経済が低迷する以上、ある程度は抑止力になるでしょう。ただ、武力を代替するものではない。確りとした武力的抑止力があるからこそ、その他の抑止力は効力を発揮できるのさ。それは相互不可侵や相互安全保証、また相互防衛依存であっても、その前提に武力がなければ成立しないよね。