情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

あなたはどのような条件が整えば、所属する組織が仲間や自分を殺す権限を持つことを認めますか?

2010-07-30 09:52:40 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 先日、千葉大臣が死刑執行を命令し、2人が国家によって殺された。死刑とは、自分が所属する組織によって仲間(あるいは自分)を殺す仕組みだ。どんな組織だったら、仲間を殺すことを容認するだろうか?会社が死刑をしてよいのか?地域社会が死刑にしてよいのか?市町村単位ならどうか?都道府県なら…

 こうして考えると、どのような組織に死刑を執行させる権限を与えるか、結構難しいと思う。

 産経新聞は、【内閣府が今年2月に公表した世論調査では、死刑を容認する意見が過去最高の85・6%に達している】(http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100730/plc1007300325001-n2.htm)
と伝えている(「達している」という言葉のなんと悲しい響き…)。

 85.6%の人に聞きたいと思う。あなたは、どのような組織なら仲間や自分自身が組織によって殺されることを容認するのだろうか?


 学校や会社にそのような権限を与えるのに賛成の人はほとんどいないでしょう。

 地域社会にそのような権限を与えることに賛成する人も少ないはずだ。

 市町村はどうだろう?

 都道府県は?

 
 あるいは、イラクのような政府、中国のような政府だったら?

 それとも、デンマークやオランダのような政府だったら?

 
 殺すまでの手続きにおいて、ミスが発生する可能性がどの程度にとどまれば、死刑に賛成しますか?……


 結局、死刑に賛成かどうかを問う際に、どういう組織だったら死刑に賛成してよいか、なんていう質問が入っていないことが問題ではないだろうか?

 どういう組織でもいい、国家であれば、死刑に賛成する、なんて人はいないはずだ。

 質問する際に、自分なりに死刑を容認するための条件を考えてもらうべきではないだろうか?

 そして、その条件に日本という国家があてはまっているかどうかも…。


 もう一問、なぜ、無期懲役ではだめなのかも知りたい。社会から隔絶して生活することの地獄のような生活が延々と続くのでは罰として不十分なのだろうか…。

 それで不十分だということは、日本のシャバって監獄と同じようなもんなのだろうか…
 



 よければ、あなたのご回答をコメント欄に残して下さい。
 
 

 写真はhttp://hakkiri-ie.iza.ne.jp/blog/entry/25206/より
 


【コメント1】
>どんな組織だったら、仲間を殺すことを容認するだろうか?

殺す前にもはや仲間ではないので、仲間を殺すことにはならない。仲間ではないから殺せるともいえる。

【コメント2】
かなり多くの人が「地域社会」レベルでそれを認めるのではないでしょうか。だたし殺害の対象が「排除」された者である、ということを前提に。逆に言えば殺そうとする相手をあらかじめ「排除」しておくということですが。


【コメント3】
死ぬまで刑務所を出られないなら、無期懲役もありかなと思いますが、実際、日本だと無期懲役=いつか社会に出られるって思われてます。
一説(少数説ですが)にある、遺族の報復を国が代執行するという考え方だと、遺族としては、有罪の被告人は死をもって償えと考えるのも不思議ではありません。
ただ、実際の運営上、プロセスに問題があった場合取り返しがつかないとこをどうするかではないでしょうか?それと、原則死刑あり例外でなし、なのか、原則死刑なし例外であり、とするかの考え方もあるかと。。。
例えば、筒井康隆の小説に、遺族が死刑執行を行う制度があった場合、の話があるのですが、結局、遺族は「私たちも人殺しね」という実感を持つ訳です。それも否めない、でも、許せない、ってなると、どうすればいいのでしょうか?
刑法は、行った罪の重さに比例して、刑罰を決するという考え方をしますが、さて、それって、侵害された社会法益の重さって、客観化できるのかな?とも思います。もし、刑罰では軽い罪でも、それが原因で被害者が自殺したら?遺族は、加害者が殺したも同然って考えますよね。刑罰は社会的に加えられる罰だから、処罰感情を入れることが目的ではないと刑法では言いますが、実際の裁判では、遺族の処罰感情も量刑に加えられる傾向もありますよね。
法理論と、実際上の運営に溝が深い気もします。

【コメント4】
自分で死刑執行のスイッチを押せる人(誰が押したかわからないような形でなく)だけで構成された組織なら、死刑制度が成立するのでは。
自分の所属する組織の行為=自分の行為。
死刑容認派は自分で死刑執行のスイッチを押せますか。
被害者(遺族)は、犯人の「死刑」でスッキリするとは思えません。被害者感情を本当に尊重するなら、きちんとその受け皿となる精神的なフォロー体制を整えることが大事だと思います。

【コメント5】
>どんな組織だったら、仲間を殺すことを容認するだろうか?

それを問うなら、うまくは作れないですが、例えば、

>どう考えても「死んで償うしかない」ような罪は何だと思いますか?

という問いに「そんな罪は存在し得ない」と確実に答えられることが前提でしょう。
しかし、私には、「死ななければ償えない罪は存在する」ようにしか思えません。

→【ヤメ蚊】死ななければ償えない罪があるとして、「では、どういう組織、どういう手続きであれば、殺してもいいですか?」という順番ではないでしょうか?

【コメント6】
無期懲役が終身刑に変わっても、死刑を支持するという人に聴いてみました。税金で養うとお金がかかるということだそうです(終身刑の人は作業をすると思うのですが……)。
私は皇族を税金で養うことも勘弁してほしいと思っています。

【コメント7】
 日本の無期懲役は寿命まで出られない訳ではないので、信用できませんし、全員を無期懲役にしてしまうと、一体どこにそんな人数を収容するか、また、そこに税金を使う訳ですから、税金を使って生かすだけの人間なのかどうか、そんなところにまで踏み込んで考え尽くさねば答えは出ないと思います。答えなど出るのでしょうか。殺人を犯した理由ひとつにしても、よくよく考えてみると被害者の方が極悪な人間だった、なんてこともあります。
 単純に、私は、冤罪でなければ死刑に賛成で、私が死刑執行せよと言われてもできると思っています。署名もボタンを押すことも。
 単純に、ペットを簡単に捨て、保健所に持って行く人間を私は死刑にしてやりたいと思う人間ですから。基本的な命を大事にできない人間は、生きている資格はないと思っています。
 話がそれてしまいましたが、もしも死刑を無くして無期懲役を一生とするならば、専用の地域を設け、そこから出ることなく、自給自足のみ、自分達のみで一生生きてもらうしかないと思います。税金を一切かけず。そうすれば「生きる意味、生の意味」を犯罪者自ら学ぶことができるでしょう。その方法以外の無期懲役には反対です。

→【ヤメ蚊】貴方自身が捜査をしないし、裁判をしないにもかかわらじ、冤罪ではないことを確信できる仕組みとしてどのようなものが必要でしょうか?それとも、そんなことは考えなくてもいいのでしょうか?

【コメント8】
チャップリンの殺人狂時代的な話になっていきますが、死刑に対するハードルよりも戦争に対するハードルは高いべきだとおもいます。そうでないと、死刑廃止が偽善に見えてきます。

【コメント9】
死刑を無期懲役に替えることでコスト的な問題は生じないであろう。現状の死刑囚は執行されるまでは無期懲役とほぼ同等の費用がかかっている。刑が執行された場合には、行刑施設における費用の支出が終了することは仮釈放と同様であるが、新たに執行の費用がかかることになる。一方、終身刑とした場合には受刑者の生存が続く限り費用が増加するであろう。
税金を使うことを問題にするのであれば、費用対効果を算定する必要がある。効果に比して過大な費用が支出される場合は「ムダ」であろう。ただしこの「効果」の測定が困難であり、推測や思い込みで議論されているのが現状である。死刑を無期懲役もしくは終身刑に替えるにあたってそれを「税金のムダ」とする議論は根拠を欠くものと思われる。
ただし、刑罰一般に税金を支出することが「ムダ」であるというのであれば、刑罰一般の「効果」を全否定する議論として一考の余地があろう。



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