情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

【質問】米側事情での海兵隊グアム移転の遅れが分かっていたのに、鳩山に辺野古移転の承諾を迫ったのは?

2010-07-24 11:00:19 | メディア(知るための手段のあり方)
 日本のメーンストリームメディアの編集責任者の皆さん、こんにちは。私は、情報の偏在によって不幸せを生み出す仕組みを細々と、でも、できる限り、批判してきた者です。今回、皆さんに質問したいのは、辺野古問題です。ついに、【沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転について、日米両政府が「2014年」で合意した移転完了期限について、米政府が達成を事実上断念したことが22日、明らかになった】(読売http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100723-OYT1T00592.htm)ことが報道されました。理由は、【「日米合意では、移転の完了期限は14年とされているが、グアムのインフラはそのような急な建設速度に対応できない」】からだそうで、数年の遅れが見込まれているそうです。ということは、沖縄の住民が反対している普天間飛行場の辺野古への移転についても、じっくりと検討し、住民が納得いく方法(国外移転、県外移転)の途を探ることができたのではないでしょうか?

 この米側の事情でグアム移転が遅れそうだという話は、2008年5月、米連邦議会行政監査局(GAO)が、指摘していましたね(http://www.gao.gov/new.items/d08722t.pdf)。

 海兵隊ニュースによると((「GAO report hints at delay in Guam relocation」http://www.marinecorpstimes.com/news/2008/05/ap_guamrelocation_050208/))、その時点で

【While noting uncertainties over the final size of the military population and the kind of military facilities to be built, the GAO report touched on the possibility that an environmental impact assessment could be delayed.

It also referred to “the complexities of moving thousands of Marines and their dependents to Guam, and the need to obtain sufficient funding from the governments of the United States and Japan to support the move.”

Furthermore, the report raised concerns about the capacity of Guam’s infrastructure such as highways, the electrical system, the water and wastewater treatment systems, and solid waste facilities.】

ということでした。

 つまり、遅れる理由は、

1:移転の実態が明確でないため、アセスが遅れる

2:移転費用を日米間でいかに負担するかの複雑な協議が必要

3:高速道路、電気、上水道などのインフラの整備が必要

ということでした。


普天間の辺野古移転については、同ニュースは

【Any delay in relocating Marines to Guam could affect another key element of the agreement ― relocating Marine Corps Air Station Futenma’s heliport functions from downtown Ginowan to Nago, both in Okinawa.】

と述べています。

 つまり、グアムへの移転が遅れることで、普天間のヘリコプター基地機能の宜野湾から名護(辺野古)への移転に影響を与えるという見解です。いいですか、グアムへの移転の遅れがあることによって辺野古の問題に影響が出るという順番です。辺野古の遅れがグアムへの移転に影響を及ぼすというのではないわけです。

 メーンストリームメディアの日米関係担当者、特に沖縄基地問題担当者は、当然、このGAOの情報を知っていたはずです。

 そして、そのGAOの指摘は現実のものになり、昨年には、グアムの現地新聞などが、沖縄からの移転が遅れそうだというニュースを盛んに報道していました(「Buildup's start may be late」http://guam-ofw.blogspot.com/2009_09_01_archive.htmlなど)。
 
 ですから、メーンストリームメディアの担当者は、沖縄の住民が拒否している辺野古への移転について、日本側(民主政権)がすぐに従来の自民党案を認めなくとも、どうせ遅れるのだから、じっくりと米側と交渉することが可能であることを知っていました。それにもかかわらず、メーンストリームメディアは、その事実を隠し、民主党が辺野古移転を認めないと日米関係にひびが入ると脅し続けました。

 その結果、鳩山政権は政権を維持できなくなり、ついに今年5月辺野古移転を認めることとなりました。

 そして、辺野古への移転を日本が認めた後、実は、グアム側の事情で数年間、海兵隊のグアム移転が遅れることをアメリカ側が明らかにしたわけです。

 私には、米国としては、グアム移転を公式に米国が求めざるを得ない状況があったため、それよりも先に、まず、辺野古移転だけは決めておきたかったというようにしか見えない。

 そして、日本のメーンストリームメディアは、その米国の片棒をかついだようにしか見えない。



さてさて、私の質問は簡単です。二つあります。

 ひとつは、なぜ、グアム移転がグアムの事情で遅れることを知りながらそれを隠したうえ、民主党が辺野古への移転を認めないと日米関係にひびが入るという虚偽の情報を流したのか、ということです。

 二つ目は、故意であれ、故意でなかったにせよ、結果的に、グアム移転がグアム側の事情で遅れたのであり、日本側(民主党)に検討する十分な時間があったにもかかわらず、民主党の辺野古追認が遅れると日米関係にひびが入るという誤報を何度も繰り返し掲載したことについて、検証してそれを記事にする予定があるのかどうか、ということです。



 
【追記】

…産経新聞は

【米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、日本政府が今月行われた日米専門家協議の席上、沖縄県知事選が行われる11月下旬以降に最終決着を先送りする意向を米側に伝達していたことが23日分かった。これに対して、米側は「重大な懸念」を示した。日米関係筋が明らかにした。知事選の結果しだいでは県内移設への反対論がさらに強まりかねず、先送りによって普天間問題は一段と混迷を深める可能性がある。】

 などと、さらにあおり続けている(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100724-00000505-san-pol)。

 米側が日米合意の期限を守らなかったのだから、その時間を利用して、再度、普天間の県外、国外移転を検討するべきであり、それこそが沖縄の住民の意思にかなうことだと思うのだが…。 



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Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8

 




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