情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

外国人の投票運動禁止は,少数派~憲法改正国民投票法・与党案骨子は採用

2006-04-15 22:08:30 | 憲法改正国民投票法案そのほか
自民党憲法調査会(船田元・会長)が12日に発表した憲法改正国民投票法の新たな素案において,外国人の投票運動が制約されていることはお伝えしたとおりだが,衆院法制局の調査によると,諸外国で外国人の運動を制限しているのは少数派に止まることが,衆院法制局らの調査結果で分かった。

調査結果によると,国民投票運動に規制があるか否かについて回答した24カ国のうち,外国人の運動に規制があると答えたのは,わずか5カ国(エクアドル,カザフスタン,韓国,ベラルーシ,ロシア)に過ぎなかった。

もっとも,24カ国の中には,一定の政党・政治団体に限り国民投票運動ができるという国が5カ国あるので,この5カ国で外国人に対する規制が政党・政治団体への加盟ができないという形でなされているかどうかは不明だが,5カ国とはスペイン,フランス,イタリア,モロッコ,パナマなので,外国人規制が露骨になされているとは思えない(この点,補足が必要です)。

これに対し,自民党案は,「外国人は、組織的な国民投票運動や国民の投票行動に重大な影響を及ぼす恐れのある運動をすることができない」というものであり,お重大な影響を及ぼす恐れが拡大解釈されることによって,一切の運動が禁止されかねない…。

自民党の方々,自立した国にするためには,諸外国の笑いものになるような法案を通過させてはならないのでは?


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愛媛県警作成の手引書入手~「自供させるまで取調室出るな」

2006-04-15 11:03:42 | 適正手続(裁判員・可視化など)
ここ←で,一度書いた愛媛県警が作成したと思われる取調マニュアルの写し(A3一枚)を入手した。国会での質問では,警察庁は「こうしたものを警察庁や都道府県警が正式に作っていることは承知していない」と答えたというが,形式からして,正式に作ったもののようにみえる。

まず,右肩に平成13年10月4日(適性捜査専科生)とあり,警察学校か何かの公的な場所で行われた「適性捜査」なる講座で配布されたものであることが分かる。ちなみに,愛媛県警察学校規定には,「第13条 校長は、第11条第1項の試験に合格して初任科及び初任補修科の課程を終えた学生並びに交通巡視員養成科を終えた学生にあっては卒業証書(様式第3号)を、一般職員初任科、任用科及び専科の課程を終えた学生にあっては修了証書(様式第3号の2)を授与する。」とかかれており,専科なるものは存在しているようだ。

次に,その下に「被疑者取調べ要領」というタイトルがちゃんと付してある。

また,実際に書かれている内容をみると,事前の把握を徹底する,被疑者をよく知れ,言葉使いには絶対に気をつけること,などと取調にあたって必要なことが13項目に分けて書かれており,簡単なメモのようなものではないことが分かる。

これをもって,公的なものではない,ということは,恐らく警察庁が嘘を言ったことになり,適性捜査なる講座を受けた受講生及びそのほかの関係者は,不都合なことは嘘を言ってもいいんだ,と誤解してしまうのではないか?

ここは歯を食いしばってでも,どこの講座でどのように使われたものかをきちんと釈明したうえで,マニュアルの問題点を検証するべきではないだろうか?

前回お伝えした内容のほか,次のような記載がある。

■■引用開始■■
3 粘りと執念を持って「絶対に落とす」という気迫が必要
○調べ官の「絶対に落とす」という,自信と執念に満ちた気迫が必要である

5 取調中は被疑者から目を離すな
○ 取調は被疑者の目を見て調べよ。絶対に目を反らすな。
○ 相手をのんでかかれ,のまれたら負けである。
■■引用終了■■

はっきりしているのは,冤罪の可能性について,まったく考慮していないことだ。つまり,逮捕したら,絶対落とせって言っている。これでは,冤罪事件はなくならない。マニュアルには,「被疑者の言い分について裏付けをとり,被疑事実が否定されるようであれば,直ちに釈放する」という内容が盛り込まれていてしかるべきではないか?

そういえば,愛媛県警といえば,松山地方裁判所が「不当な取調べについて、長時間の取調べ以外は具体的には認定しなかったが、「被疑者が取調べ状況について弁護人に述べている内容等からすれば、自白強要のおそれも一応認められる」と結論付けたことがある警察だ(ここ参照←)。

やっぱり取調の可視化(ここ←参照)は必須のようだ。



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リトルバーズを観ました~イラクの普通の市民の姿

2006-04-15 04:04:15 | メディア(知るための手段のあり方)
遅ればせながらリトルバーズを観ました。この作品は、ビデオジャーナリスト綿井健陽氏がイラク戦争下で懸命に生きるイラクの人々の姿を追ったドキュメンタリー。レポーターとして日本のテレビ等へ現地の最新ニュースを送り続けた同氏が、1年半の取材期間で記録した123時間の映像を102分の作品としてまとめ、イラク市民の視点から、報道では伝えきれなかった戦争の真実の姿を浮き彫りにしていく、というもので、開戦前からバグダッド陥落後までの市民の生活が描かれています。

観ていない方は、必見。

メディアウォッチの視点からは、サマワの自衛隊を取材するときの日本人報道陣の程度の低さ(その取材をした全員がそうだというつもりはありません)が悲しくて、日本人であることが恥ずかしくなる…。

観ていない方は、必見です。


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