特捜最前線日記

特捜最前線について語ります。
ネタバレを含んでいますので、ご注意ください。

第361話 疑惑 警察犬イカロスの誘拐!

2007年11月09日 03時36分39秒 | Weblog
脚本 長坂秀佳、監督 天野利彦

暴力団を介さない新たな覚醒剤ルートを追う特命課。そんななか、麻薬犬として訓練中の警察犬・イカロスが何者かに誘拐される。イカロスは、幼犬の頃に叶が寄付した犬だった。イカロスと一緒だった女訓練士はエーテルで眠らされ、犯人の顔すら見ていなかった。逃げるように立ち去る女訓練士に、厳しい言葉をぶつける叶。
その後、叶は訓練所の所長から、女訓練士が亡き麻薬捜査官の娘だと聞かされる。捜査官の死因は、押収時に舐めた覚醒剤のせいだと噂されていた。もともと弁護士を志していた彼女は、「覚醒剤は父の仇」と思い定め、麻薬犬の訓練士となった。女訓練士の真意を知った叶は「本当の気持ちも知らず、ひどいことを言った」と詫びるのだった。
タレコミを受けて覚醒剤組織のアジトに踏み込んだ特命課だが、すでに人影はなかった。アジトから発見された犬の足跡は、イカロスと同じ犬種のものと判明するが、叶は「イカロスが犯罪者に従うはずがない」と主張する。女訓練士はイカロスと恋仲にあった警察犬を連れ出し、叶とともにアジトに向かう。足跡を嗅いだ警察犬の態度から、二人はそれがイカロスのものだと確信する。
末端の売人から組織を探ろうとする特命課は、堅気の娘を妻に迎えて足を洗ったはずの売人に目をつける。しきりに売人仲間と接触する売人を尾行した叶は、怪しげな倉庫に潜入したところを何者かに襲われる。薄れる意識の中で、イカロスの姿を見る叶。だが、目を覚ましたときにはイカロスの姿はなかった。倉庫からは大量の香港製のボールが発見され、その一部は空洞だと判明。倉庫が麻薬ルートの作業場であり、イカロスは覚醒剤入りのボールを選別させるために誘拐されたものと推測された。だが、イカロスはまだ訓練途上であり、覚醒剤を嗅ぎ分ける能力はない。「麻薬組織はイカロスに麻薬を選別させるために、麻薬中毒にしたのではないか?」橘の推測に、叶と女訓練士は戦慄する。
そんななか、売人の妻が麻薬中毒者として発見される。変わり果てた妻の姿に慟哭する売人。売人仲間と接触していたのは、麻薬に手を染め、姿を消した妻を捜すためだったのだ。麻薬組織への怒りを燃やす売人の証言で、貿易商が容疑者として浮上する。一刻も早くイカロスを救出せんと、貿易商をマークする叶。単独で貿易商を追う女訓練士の車に乗り込み「捜査は我々に任せろ」と説得する。女訓練士は叶に告白する。「退職した父は、仕事を失った寂しさを紛らわすため、覚醒剤中毒者になっていたんです」女訓練士を制して、貿易商が入っていった倉庫に一人乗り込む叶。やつれ切ったイカロスの姿に愕然とする叶を背後から襲う影。逃走する影を追う女訓練士。影の銃口が火を吹く中、イカロスが吠えた。特命課が駆けつけたとき、影は逃走し、後には女訓練士をかばって撃たれたイカロスの死体が残されていた。「よくやったイカロス。お前は立派な警察犬だ!」叶はイカロスの墓標に麻薬組織の壊滅を誓う・・・

7周年記念の一環として制作された長坂脚本の前後編。例によって評価および感想は後編を見てからとさせていただきますが、一つだけ言いたいのは、「いくら大人向けの番組とはいえ、宮内洋に悪役(=貿易商)を演じさせるな!」ということ。後編でのどんでん返しに期待しましょう。