せっかち散歩

ゆっくり急げ、時間がないから

イヌビワ

2013-01-28 | 日記
夏目漱石の「こころ」を読んでみた。明治時代の恋愛だから現代とは違うものの文体の読みやすさと優れた心理描写のために手紙の中で語られた先生の苦悩がとてもよく理解できる。当事者の心の動きを描写する漱石の表現力には感心する。「こころ」を読みながら時代も背景も全く異なるが以前読んだ村上春樹の「ノルウェイの森」を思い出した。村上春樹の作り出す独特の世界も面白い。ともに過去の恋愛にまつわる後悔と苦悩が結果的に死へとつながる。現実の社会から離れ自分に正直に真実と向きあい死を選ばざるを得なかった者たちの悲劇。



イヌビワ クワ科

林縁の開けたところに小さな果実状のかたまりをつけた低木がある。イヌビワだった。



今時果実があるとは不思議だと思い調べてみると、イヌビワの雄花序は雌花序が受粉し果嚢が成熟する8月頃に遅れてでき、この雄花序にイヌビワコバチが入り込み産卵する。雄花序はこのまま花芽・蕾の状態で冬を越すらしい。イヌビワは雌雄異株なのでこの木は雄株で果実状のものは雄花の蕾(花嚢)だった。



冬芽。