JR阿佐ヶ谷駅の駅前から続くスターロードと名付けられた人通りの少ない商店街を歩いて行けば、何時しか商店は影を潜め、閑静な住宅街が現れます。その住宅街の中にひっそりと、小さな名曲喫茶、ヴィオロンはありました。お店の中に入ると、先ず正面の奥に威風堂々と構える大型のスピーカーが眼に飛び込んできます。四つのラッパが上に取り付けられたスピーカーの前には幾つかのテーブル席があり、その席達を取り囲むようにして一段高く作られた場所にもテーブル席は点在します。このお店自体をホールと考えるなら、スピーカーの正面の席はS席、それを囲む席はA席と言った具合です。
「カフェー小品集」/嶽本野ばら より
1980年に開店したヴィオロンは、高円寺の「ネルケン」、吉祥寺の「バロック」、荻窪の「ミニヨン」などとともに中央線沿線にある名曲喫茶の老舗と言える店です。
この店は、ウィーンのムジーク・フェラインザールというホールを模して作られているそうで、マスター自作の真空管アンプと綿密に調整されたオーディオシステムによるレコード演奏が響く店内はまさに癒しの空間です(僕はいつもS席)。
コーヒー、紅茶にはブランデーをたらすか、ミルクを入れるかを選ぶことができます。コーヒー350円、自家製チーズケーキは250円。
ヴィオロンではSPのコンサート、ライブの演奏会、演劇公演なども行われているので、来店の際には事前の確認をおすすめします。
(TEL)03-3336-6414 火曜日が定休日です。
(参考)
・地図情報: 阿佐ヶ谷「ヴィオロン」
・高円寺の名曲喫茶「ルネッサンス」(当ブログ)
・吉祥寺の名曲喫茶「バロック」(当ブログ)
・高円寺の名曲喫茶「ネルケン」(当ブログ)
・荻窪の名曲喫茶「ミニヨン」(当ブログ)
・「カフェー小品集」/嶽本野ばら
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中央線沿線には「ヴィオロン」のようなお店が、まだ残っているのですね。若い頃、中野の名曲喫茶に行ったことがありますが、当時でもかなりレトロな感じで驚きでした。
イタリアめぐり、たっぷりと楽しませていただきました。
武蔵野珈琲館に行きたいと思いつつ、中央線沿線は我が家から距離が近いわりには、車で通り過ぎてしまうことが多く、ゆっくりと楽しむ機会がなかなかできないのです。
11月の日立の庭園解放には、春に出かけてとても気に入ったので、また行く予定です。主人もメーカーの研究所勤務ですが、あのような環境で仕事ができるのは、とてもうらやましいと話しています。実際の研究者は、庭を眺めてばかりもいられないとは思いますが、心身の健康にもよいのではないでしょうか。
先月は、松本記念音楽迎賓館というところに初めて出かけました。渡辺学而氏のお話と、ピアノ(ベーゼンドルファー)とチェンバロの演奏とティータイムを楽しむ会(ほとんど女性ばかり)でした。tokiさんは規にご存知かも知れませんが、元パイオニアの社長の邸宅だったそうで、さすがに楽器もすばらしく、音響もとても心地よかったです。楽器練習に部屋を借りることもできるようです。
素敵な喫茶店が阿佐ヶ谷にあるのですね。
名曲喫茶って最近少なくなっちゃって、こういうのがまだ残っていると知るとうれしいです。
私はよく新宿や銀座あたりの名曲喫茶に以前よく通っていましたっけ。
もうかれこれ20年も前の話ですが、OL時代、仕事が営業職だったので、よく仕事さぼって名曲喫茶で本読んだり、勉強したり、お昼寝したり、私の書斎みたいに活用していました。
懐かしいなーー。
阿佐ヶ谷に行ったらぜひ寄ってみたいです。
今度吉祥寺でお会いできるのも楽しみにしています。
ともみさんも名曲喫茶によく行っていたんでしたか。
新宿の「らんぶる」はまだあって、昨年は何度か行く機会がありました。
名曲喫茶では、僕も本を読んだり、勉強はあまりしないけどお昼寝したりして過ごすことが多いですね。
では吉祥寺でお会いしましょう。
marieさん
中野の老舗「クラシック」は残念ながらなくなってしまいました。とても個性的な喫茶店だったので惜しいです。
国分寺の日立の研究所内の庭園には僕も春と秋に行きましたが、すばらしいですね。有料でもいいから1年中開園してもらいたいものです。
松本記念音楽迎賓館で一度オフ会を開きたいと思っています。その時にはぜひmarieさんにも参加お願いしますね。
最近のtokiさんは、どのようなピアノ活動をされていらっしゃいますか?、また教えてくださいね。
森絵都の「風に舞いあがるビニールシート」、やっと図書館から借りて読みました。約1年前にtokiさんの読書ノートを読んで予約していた本です。想像以上によい作品で、途中でふっと笑ったり、涙がこぼれたり、内容に幅があり楽しめました。表題作よりも、意外な展開の他の短編の方が、私は面白く読めました。
今度の土曜に吉祥寺でのオフ会に参加するんですが、練習ができていないので相当ヤバイんですが、まあ仲間内なので許してもらいましょう。
バッハを2曲「主よ人の望みの喜びよ」(やさしい編曲です)と「イエスよ、わたしは主の名を呼ぶ」を弾く予定です。
「風に舞いあがるビニールシート」では、僕も表題作よりは他の短篇の方がよかったです。
森さんの作品では、「アーモンド入りのチョコレートのワルツ」(角川文庫)がmarieさんにおすすめです。3つの短篇が収録されていますが、いずれもピアノ曲を題材にした作品で、僕が一番気に入った短篇「彼女のアリア」では「ゴルドベルグ変奏曲」が取り上げられています。ぜひ読んでみて下さい。
吉祥寺で何かあるのかな、と思っていたのですが、ピアノのオフ会のようですね。私も聴かせていただくことはできるでしょうか? 後で詳細など問い合わせさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
「風に舞い上がるビニールシート」は、かなり資料を読んで勉強して書かれたようですが、作家が今までの人生で見たり聞いたり経験したことを書いたものにはかなわないのだと思います。それは主人公にもだぶらせて書かれているのですけれど。やはり現実の体験を通して書かれた作品には、力があることを実感しました。
美味しそうなタイトルのお奨めの本、読んでみますね。
内輪の会ですが、どうぞいらしてください。次回はぜひmarieさんのピアノを聴かせてくださいな。
「風に舞い上がるビニールシート」は力作でしたね。作品の面白さとは別に、それまではまったく知らなかった国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の具体的な活動の一端に触れることができたのも収穫でした。
僕にとって感銘度の高さでは、捨て犬保護のボランティアについてのペーソスある短編でした。