名曲喫茶「ルネッサンス」はJR高円寺駅南口を出た右手から伸びているパル商店街のショッピングモールを抜け、桃園川遊歩道を過ぎてすぐ左の路地の地下にあります(下の地図情報を参照してください)。
昨年(2007年)11月に開店したこの店は、かつて中野にあり2005年1月に閉店した伝説的な名曲喫茶「クラシック」の従業員だった二人の女性が、保存してあった「クラシック」の備品、LPを使用して復活させたのだそうです。残念ながら僕は「クラシック」へは行けませんでしたが「カフェー小品集」には当時の「クラシック」の様子が描かれています。
そのカフェーは中野のサンモールというアーケードを歩き、暫く行った左手の路地にひっそりとありました。
恐ろしく暗い店内には燭台やランプの小さな灯しかなく、壁には至る処に大きさがまちまちな油彩が額に収まって不揃いに掛けられていました。椅子やテーブルはどれも小さく、脚がそろっていないのかガタガタと揺れました。
「カフェー小品集」/嶽本野ばら より
「ルネッサンス」の椅子やテーブルはちゃんと補修され、がたがたしていませんでした。念のため。
正面に飾られている 女性像の油彩は「クラシック」のオーナーだった画家の美作七郎さんの代表作です。
店内は30席余りの結構広いスペースで、メニューがコーヒー、紅茶、ジュースの3種類しかなく(どれも400円)、リクエストボードにチョークで聴きたい曲を書き込むのは「クラシック」と同じだそうです。食べ物の持込、店内での会話は自由です。
薄暗い店内で、真空管アンプで再生されるスクラッチノイズの混じるLPを聴いていると、単なるレトロ感を超えた深いやすらぎを覚えるのは僕だけではないだろうなという気がします。
この日、お店の方がかけてくれたグレツキの「悲歌シンフォニー」とリパッティの弾くバッハの曲集はいずれも僕の最愛の曲でした。末永く続いて欲しい店です。
開店時間:正午~23:30
(参考)
・地図情報: 高円寺「ルネッサンス」
・阿佐ヶ谷の名曲喫茶「ヴィオロン」(当ブログ)
・吉祥寺の名曲喫茶「バロック」(当ブログ)
・高円寺の名曲喫茶「ネルケン」(当ブログ)
・荻窪の名曲喫茶「ミニヨン」(当ブログ)
・国分寺の名曲喫茶「でんえん」(当ブログ)
・「カフェー小品集」/嶽本野ばら
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