医療通訳士協議会第2回大会が開かれるそうです。
参加してみたいな と思ったら 以前はぱっと行っていたのですが、今はそういうわけにもいきません。なんせ、主夫ですから…。
以下は 毎日新聞の記事の引用です。手話通訳者も音声語通訳の人たちと手をつなげたらいいっすね。
医療ナビ:外国人患者支える「医療通訳」とは。
◆外国人患者支える「医療通訳」とは。
◇医師と意思疎通、橋渡し 文化ふまえトラブル防止/診療報酬なく進まぬ導入
医療の現場で日本人医師や看護師などと外国人患者とのコミュニケーションの橋渡しをするのが「医療通訳」。医療現場では、病名の告知、手術の同意書へのサインなど、日本人同士でも問題が発生することがある。外国人患者ならなおさらだ。医療者の意図を過不足なく患者に説明し、一方で患者の思いをすくい上げて医療者に伝える。生死にかかわる医療現場で期待される役割は大きい。
「上を向いて」「ゼリー塗ります」。市立泉佐野病院(大阪府泉佐野市)で甲状腺のエコー検査を受けるブラジル出身のシマブクロ・リディジャネさん(30)には、認定外国人サポーターの鹿山ミヱ子さん(65)が寄り添っていた。鹿山さんは手を握りながら技師の指示をポルトガル語に訳す。
今まで自費で通訳を雇って受診してきたリディジャネさんは「今までは痛くても我慢して、病院にはなかなか来られなかった。本当に素晴らしい」と笑顔を見せた。付き添っていた夫のジェフェルソンさん(29)も「日本語が少し話せても病気の名前や検査の結果など難しい言葉は分からない。言いたいこともしっかり伝えられ安心」と話す。
関西国際空港に近い同病院には外国人の救急搬送も多く、06年度から「国際外来」を設け医療通訳を配置した。英語、スペイン語、ポルトガル語、中国語の4言語に対応する。予約制が基本で、医療通訳者と、医療通訳者を目指す認定外国人サポーターが午前9時から午後3時まで待機する。
利用者に費用負担はなく、うわさを聞いた他府県からの患者も増えている。利用件数は06年度の88件から08年度には427件になった。自らスペイン語とポルトガル語の通訳を務める同病院の南谷かおり・健康管理センター長は「文化や宗教からくる医療に対する考え方の違いもある。トラブルを防ぐためにも医療通訳は重要」と話す。
*
民間団体の協力を受け、医療機関に通訳を派遣する地域もある。神奈川県では地元自治体が費用を負担し、NPO法人「多言語社会リソースかながわ(MICかながわ)」が医療通訳サービスを実施している。提携先は17病院に及び、NPO独自の判断で派遣した場合も含めると昨年度は計3561件の利用があった。また京都市内でもNPO法人「多文化共生センターきょうと」が市などと一緒に4病院に通訳を派遣している。が、すべての地域で同様のサービスがあるわけではない。
医療機関に医療通訳を配置する義務はなく、費用を診療報酬での点数の加算などで国が実質的に負担する制度もない。通訳者のレベルもさまざまで、誤訳からトラブルが起きた場合の補償問題もあり、医療機関が導入をためらう原因となっている。「本来、誰でも平等に医療を受ける権利があるはず。外国人が安心して医療を受けられる体制を作れるよう国も病院も努力してほしい」。市立泉佐野病院の伊藤守副院長は訴える。【渋江千春】
◇能力保証する認定制度必要--国際医療通訳者協会会長、イザベル・アローチャさん
15カ国約2000人の医療通訳者が加盟する国際医療通訳者協会(IMIA)会長のイザベル・アローチャさん(45)に、医療通訳の重要性について聞いた。
通訳にはさまざまなジャンルがあるが、世界で今最も必要なのは医療通訳。救急処置の現場にいたかと思えば、出産に立ち会う。患者の文化的背景を理解しつつ、医療スタッフと患者の言葉を漏らさず伝えることが命を救うことにつながるすばらしい仕事だ。
ところがあまりにニーズが多いため、米国でも1万5000人から2万人いる医療通訳の中には専門的な訓練を受けていなかったり、語学力が足りない人もいる。他の分野に比べ報酬も1時間平均約20ドル(約1900円)と安い。待遇を改善するためにも、医療通訳者の能力を保証する必要がある。現在、米国で全国規模の認定制度を作る準備をしている。
十分な医療を受けるのはすべての人が持つ権利だ。日本でも取り組みが進んでいるので、今後の飛躍に期待したい。
毎日新聞 2009年6月2日 東京朝刊