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距離をとるということ

2009-07-04 | 読書
精神科・治療と看護のエッセンス

星和書店

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  精神科で追わ環になり始め、20年ぶりに本棚から引き出して また、読み始めました。(全く忘れてしまっていました、当然。初めて読む感じです。)

  1977年の初版ですからもう30年以上も前の本ということになります。病名は統合失調症ではなく「精神分裂病」となっています。

  読み始めてみると、手話通訳者とろう者の関係にも相通ずるものがあります。もちろん、手話通訳者はろう者を治療するわけではありません(わかりきったことですが、こんなことまで書いておかないと「手話通訳者はろう者を治療するのか!」なんて下らぬことを考える人が出てはいけないので念のため)。

  「求められる態度、それは安全感を送り届けること」と第一章が始まります。

第二章は、手話通訳者が最も苦手だと思われる「『距離を取る』ということ」です。

  治療スタッフが、上手に距離をとるということは、精神科のもっとも基本的な技術の一つである。                                            距離をとるということは、だれでも知っているが(通訳者には知らない人も多い…これはかわいが挿入)、具体的にどういう風にしたらよいかは、案外むずかしい。

  ……

  距離をとれない人は、一般に熱心な人で、思いやりの深い人に多いようである。それだけにそういう人が距離を上手に取れるようになれば素晴らしいのだが、同時に自分が患者の側に立っていて実にすばらしい行いをしているという確信があるためか、なかなか矯正ができないという難点もある。

  古本屋では安く出回っているようだし、新本でも2000円弱。手話通訳者の学習会テキストとして使えるかもしれません。