何気無く大切な一日が、かけがえ無く今日も過ぎてゆく 高橋忠史・多系統萎縮症と生きる・唄い屋。

難病の多系統萎縮症に侵されても音楽を諦めない男のライヴ報告や日々の思い・命のメッセージ

何もかもがヨッコイショ!

2015年07月22日 16時15分46秒 | Weblog
昨日、4時頃アパートに帰れた。典子さんは自転車で来ていたので、障害者として頂いているタクシーチケットを使って。
ベッドから立ち上がって歩き出そうとしたが、足がもつれ同時に頭がグルグル回り一歩踏み出したが、二歩目は転びそうで怖くて足が出なかった。
その様子を見ていた看護師さんが「部屋を出てすぐに、ちょっとした坂もありますから、車椅子でタクシーまでおともしますから。」と言ってすぐに車椅子を用意してくれて、病院の玄関のタクシーの後部座席のドアが開いている所まで運んでくれた。
仕事とはいえ、看護師さん達にはお世話になりっぱなしで、頭が下がる。そして感謝だ。

素敵な気持ちでアパートまでもどったが、この後爽やかな気持ちをぶち壊すような事に出会った。
タクシー料金を払おうと、障害者手帳を見せ、料金メーターを1割引の料金に変更してもらって、タクシーチケットを見せたら、運転手が「二枚ですね。」と言う。料金メーターは650円と表示されていた。タクシーチケットは一枚500円だから、僕がチケット一枚と千円札を出して「これでお願いします。」と言って始めて、「じゃぁ、おつりですね。はいっ。」と渡されたのは、450円。
この二週間、ずーっとベッドの上にいて、ほとんど会話も無いまま過ごして来たので、足の筋肉同様に声帯の筋肉も弱っていて、本当に、情けないほど弱々しい声しか出なく、おまけにろれつが何時も以上に回らない。タクシーの運転手はそんな僕を頭も回らない爺いと思ったのか、…なにかんがえてんねん、あほにすなー!…元気でろれつが回れば、大声で怒鳴り飛ばしたい気分だが、声も出なくてろれつも回らず醜態をさらすだけだろうと、怒りを呑み込み「すいません、千円渡したんで、おつり違ってますよね。」そうただすと、「間違いました、おつり、950円でしたね。」やっと分かったかこのスカタンが!。
人をバカにした。クソッタレの運転手だ。これからも僕はボケの入った老人と判断されて、何度もいやな思いをさせられるんだろうな。
病院からアパートに戻る数分間に天国から地獄におとされたような気分だ。

今朝は、久しぶりに朝の親父会議に参加。立ち上がるのも大変だがよちよち歩きながら一階に降りた。
昨日誰にも会わなかったから、渋谷さんも松本さんも秋山さんも驚きながらも満面の笑顔で向かえてくれた。僕の朝はここからはじまるんだよね。さわやかー。
病院の生活は退屈だったし何もしていないのに疲れた。今日は何もしたくない。でも何もしないと身体が駄目になる、午後四時、小平駅までゆっくりゆっくり歩いて来た。駅のそばのベンチでこのブログを書き終えた。
元の忠史に近づく為にリハビリだ。ゆっくりゆっくり歩いてかえろう。

それにしても、欲はかいちゃいけない。怒りで僕も冷静さをかいてしまって、おつりを百円多く貰っていた事は、部屋に戻ってから、気がついた。
僕もまだまだ人間が小さいな。