車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

うだつの町並み~Ⅰ~ in 岐阜県美濃市

2017年01月07日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・岐阜県

「うだつの町並み・灯りアートの世界」に魅了されて一夜明けた28日。生憎の怪しい空模様ですが、今日は「うだつの町並み」散策。(文中の「詳細」は、現地説明より転載)

ちなみに「うだつ(卯建)」とは、屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために造られた昔の防火壁の呼び名。これは裕福な商家の象徴的な存在でもあり、俗に「うだつを上げる」「うだつが上がらない」の語源にもなっています。

地域によって様々な形状の卯建がありますが、美濃のうだつの特徴は「塗り籠めない木製のうだつ」で、一般的に「本うだつ」と呼ばれています。うだつに関しては、公式サイトで検索して頂いた方がより詳細です(^▽^)。

情緒豊かな商家の玄関先には美濃和紙を使って製作された灯りアートが昨夜とは全く別の顔を見せて並んでいます。作品はすべてアクリルケースの中に展示されている為、雨の日でも鑑賞する事が出来ます。

いつもの常ですが、何故かコースに従って歩くという事をしない私たち(笑)。町並みの紹介はフォルダに収まっている順番で、まずは「小坂家住宅」

「江戸時代中期の建築で、元禄年間には金融業を営み、明治時代には県会議長も務めた名家。平入住宅の両脇の壁を屋根より一段高くして設けた卯建が本来は防火壁であった事を示している好例である。ただし卯建が塗籠壁となっているのは明治時代の改造である。なお卯建飾は傷みがひどくなり禁煙復元した瓦が使用されている。」

和紙土産店「紙遊」さん。築70年の紙倉庫をそのまま店舗として使用されいるそうです。

大八車に乗せられた昔の消防手押しポンプは、季節の木の実でこんなにも華やかなアートに変身。

「紙遊」さんの向かいに見つけた「村瀬藤城先生生誕之地」の碑。美濃市のHPによれば「江戸時代末期の有名な漢学者で、梅花村舎塾による教育、または上有知村庄屋として民政に尽くした人物」とあります。

見事な卯建が並ぶ一画

画像左手が「鈴木公平家住宅 ー格式ある家 本陣ー」。画像右手は「古川家住宅」で明治治初期の建築。

「四代・鈴木市郎右衛門重周が延宝四年(1676)に建築した総塗籠造りの防火建築である。この家は郡上八幡城主遠藤 · 金森 · 青山氏等五家十九代四万八千石の本陣であって、名字帯刀も許され、庭園には藩主より賜ったという円柱形の手水鉢がある。」 

まるで仲の良い双子のように並ぶ「鈴木家」と「古川家」、二つの卯建。・・生意気な言い方ですが、実に美しい!

「国重要文化財・小坂家住宅 ー美しいむくり屋根の町屋ー」

「小坂家は代々つくり酒屋を営む素封家で、母屋から後ろに続く酒蔵まですべて江戸時代の貴重な建築である。むきり屋根の町屋は珍しく上方の影響を受けたものである。卯建飾りは鬼瓦を欠く古風なものである。元来は三本卯建の家であったが、明治時代に中央の卯建を取り除いて現在の姿となった。軒につるす杉玉は酒屋の印、四角な箱は火防の神を祀る。」

「百春」小坂酒造様。内部の見学が可能という事で、有難くお邪魔させて頂きました。

見世の間から奥へ。

造酒屋にとって美味しい地下水は命の水。

昔懐かしい「羽釜」がかけられた「おくどさん」。地域によっては「かまど」「へっつい」などとも呼ばれており、しばらくその話に花を咲かせ・・

ゆかしい日本庭園を垣間見せて頂きつつ、ひんやりと静かな土間を更に奥へ・・

新酒が出来た事を知らせる「杉玉」。別名「酒林(さかばやし)」とも呼ばれます。

荷物にならないようにと釘を刺されたご亭主殿、百春「大吟」300㎖で手を打ちました(笑)。店を後にしてもう一度振り返って仰ぐ、むくり屋根と卯建・・忘れ難い光景です。

ご亭主殿がいたずら心で写してくれたセピア色の一枚は「丸栄食品店」

ご亭主殿のカメラを取り上げて(笑)、友人が写してくれた一枚は、明治34年創業の「今廣酒販店」。セピア色がこんなにも似合う町並み、それもまた忘れ難い思い出です。

「馬つなぎ石」

「旧武藤家住宅 ~豪奢な屋敷構え~」

「上有知町づくりに際し、金森長近が、関の刀匠を招いて移住させたと伝えられている。はじめは刀鍛冶、後に刃物金物を業として今日に至っていた。卯建造りの家の右と後方に大きな倉庫を並べ、いかにも裕福さを誇示するかのような構えである。建築年代は江戸末期であるが、装飾の多い卯建や塗籠の壁などは、明治時代になってからの建築であろう」

「時代軒 -江戸末期の卯建-」「~江戸時代末期の建築であり、卯建飾りも明治時代への変化につながる形式となっている~破風・懸魚の飾りも江戸時代としてもっとも発達した形式と言えよう。~」

「松久達三家住宅 -片卯建の家-」「この家は隣家の卯建壁に密着して建てられており、右の卯建は無い。しかし卯建のある家に住むのは商人の憧れであった。この家屋は左側にのみ卯建を上げた変則的な家であるが、商人たちの卯建への願望を示す唯一の例である。~破風の形、懸魚も古い江戸時代の形式である~」

大屋根に設けられた「越屋根の煙出し」

松下家の隣りに並ぶ「松下英介紙展示事務所 -回廊形式の古い卯建-」屋根の上に祀られる「火防の神」「回廊形式の卯建」

「この家は江富屋と言う昔からの旅館であったという。現在は大改造され事務所と倉庫として使用されている。しかし両卯建はよく保存されている。鳥衾、鬼瓦、破風・懸魚の回廊から成るが、江戸時代の後期の特色をよく示している。人字形の破風瓦は幅が狭く、この頃からつけ始めた懸魚も小さく簡素である。鬼瓦の〇一がこの家当初の屋号である。隣家の松久家の卯建と共に卯建が三本並ぶ景観は珍しい。」

何処までも続くうだつの町並み。いつの間にか小雨も止んでいます。

うだつの町歩き・・もう少しお付き合いください(〃∇〃)

問日:2010年11月28日

 


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