江戸時代から明治時代にかけ、和紙と木蝋(もくろう)の生産で栄えてきた内子。特に木蝋は、その品質の高さから海外でも高く評価され、世界にその名を馳せ、最盛期には全国生産の約30パーセントを占めたと言われています。
「一歩進むごとに時がさかのぼる・・明治の風景がここにある」
町の観光案内に書かれていた風景に出会いに行きます。
まだ重伝建地区ではないのに、早速現れた「鏝絵」のあるお宅。そんなに古い作品ではないと思われる「波紋の中を泳ぐ鯉」。
漆喰壁の角には「あばれ熨斗」の意匠。鏝絵大好きな二人の心を早速鷲づかみ😄
江戸から明治にかけて建設された町家や屋敷が建ち並ぶ八日市・護国地区。黒板塀に白漆喰のコントラストは、まさに想像通りの風景!!。テンション上がりっぱなし、最後まで平常心を保てるのかしら😅
どこかのお宅の屋根にいた「恵比寿様・大黒様」。いずれもそれなりの時代を感じさせる佇まいをしておいでです。
道路の脇に立てられた「へんろ道」の道標。ああ、そういえばこの街道筋は「遍路道」としても栄えてきたんでしたね。ひっそりと祀られる野の仏にも線香が手向けられています。
屋敷神の稲荷なのか、それとも村の繁栄を願って勧請されたお社なのか・・稲荷の狐に守られた赤い鳥居も、よい具合に時を経たようです。
丁度「八日市・護国町並保存センター」がオープンしていたので早速お邪魔しました。ここは町並み保存会の事務所も兼ねているとかで、住民主体の町並の普及や研究が行なわれているとのお話。
座敷の目立つ場所に飾られた一枚の「古瓦」。よく見ると何かの模様が・・・・・浮世絵?誰かがわざわざ飾る為に書いたの?と思わず二度見、三度見😲 説明には「当時の職人さんの遊び心」とありましたが、この瓦を担当した職人さん、中々の筆達者のよう。
館内には、町並み保存の歴史や仕組みと共に、建物の建築修理に使われた道具なども展示されており、名称や用途の一つ一つ、興味深く拝見させていただきました。
白漆喰の壁にも、浅黄(あさぎ)色の壁にも、過ぎてきた時代を思わせる出格子の色がとても似合っています。古い家はそのままに、新しい家は周囲の景観を損なわぬように細心の注意を払い・・そうして、この美しい町並みが保たれています。
これほどの規模で保存された町並みは期待通り、いえ、それ以上のものです。それを見て歩ける幸運は決して当たり前に与えられたものではないと、いつも心に思い、余所者の謙虚さを忘れないように心がけます。
さり気なく飾られる屋根の飾瓦、思わず足を停めて見入る鏝絵。まだ木の香も新しげなお宅の二階に見つけたのは、時代を感じさせる「赤い扇面のおかめ」。
バッタリと呼ばれる台の上に並べられた素朴なみやげ物の数々。ふと何かの視線を感じて見上げれば、白漆喰の壁にはユーモラスな鬼の鏝絵。
別のお店のバッタリの上では、蔓で編んだ籠の中で看板猫がゆったりと寛いでいます。手を差し出しても動じることなく応じてくれる辺り、年季の入った接客振り😄
重要文化財の建物が残されているからと言うだけで「○○の町並」と名づけた地区も実際に見てきました。でもどんなに素晴らしいお屋敷が一軒、もしくは二軒あったとしてもそれだけ。ここでは全てが整然と存在し、上等の時代劇のロケ現場のように整っています。それでいて此処には普通に暮らす方々の当たり前の日常があるのです。
ペットボトルや空き缶が無造作に捨てられた小川が、いつの間にか見慣れた光景となった私たちには、この清浄な水の色が羨ましく思えてなりません。
旧大洲街道沿いに残る美しい町並は、昭和57年「八日市護国伝統的建造物群保存地区」に指定されました。
訪問日:2011年6月13日
新しいブログ開設おめでとうございます。
といってももう4か月目になるのですね。
「たんでむ日和」が更新されていないので心配していました。
元気で精力的に廻られているようで安心しました。
突然思い立っての、新規登録
取り付かれたみたいに、怒涛の更新(笑)
気がついたらブログの開設から「90日」となっていました。