うまくは言えないけど

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家族の絆

2007年07月28日 | 本のはなし
西原理恵子さんの「毎日かあさん4 出戻り編」を読みました。

最近は結構ゆったり仕事をされているようで、出版情報もあまりチェックしていませんでした。たまたま本屋さんに言ったときに並んでいました。またそのうち買おうかとも思ったのですが、表紙に「鴨ちゃん」が描かれていて、帯に「4人家族になりました」とかかれていて復縁(?)したとしり読みたくなって買いました。

毎日かあさんは今の西原さんの代表作と言っていい作品で、西原さんのはちゃめちゃぶりと愛情の深さがよく現れている作品だと思います。ほのぼのとした親子の日常を面白く描かれて、子供を持つ親の大変さと幸せさが伝わってきます。ボクは子供がいませんが、街を歩いていてもだんだん子供が愛おしく感じるようになったように思います。

西原さんが二人の子供が可愛くて仕方がないのと同じように父親である「鴨ちゃん」も同じ気持ちだったと思います。でもどうしてもお酒をやめる事ができずに、家族と離れなくてはいけなくなりました。それでも鴨ちゃんはきっとお酒はやめれないだろうと思っていました。

実際依存症の人がお酒をやめるのがどれほど難しいか、看護士の友人からも聞いていました。ただでさえ大変なのに、漫画に描かれてる姿や著書から「鴨ちゃん」には無理だろうと思っていました。それが依存症を乗り越えたとあり、家族といたい気持ちがどれほど強かったか伝わってきたように思います。

ようやく家族のもとに帰る事ができたのに不治の病に冒されていたなんてほんとに残念です。ボクが初めて「鴨ちゃん」を知ったのは多分「鳥頭紀行」でアマゾンのジャングルに行った時だったと思います。西原さんはかなり破天荒な人ですが、それに輪をかけてむちゃくちゃな人だと思った記憶があります。

それから数々の西原さんの作品に登場し、二人で釣りに行ったり結婚式をあげたりといった話を読んでいた事もあり、「鴨ちゃん」には親近感を抱いていました。離婚したあたりの著書で生きているのが不思議なくらい大変な病気を乗り越えたときもなぜか死ぬとは思えませんでした。

西原さんは世間的にはギャグ漫画家と思われているかもしれません。もちろんお笑いがかなりの部分をしめていますが、西原さんの描くせつない話は、ほんとに心に響きます。喜劇ができる人は悲劇もできるそうですが、ほんとに紙一重なのかもしれません。その中でもこの本の最後の話は涙が止まりませんでした。西原さんと鴨ちゃんの絆の深さをみたように思います。

最後の数ヶ月家族と一緒に暮らせて、最期を西原さんに看取ってもらえて確かにまだかなり若かったですが「鴨ちゃん」は幸せだったんじゃないかと思います。人間は必ず死ぬけど、死ぬ前に鴨ちゃんのような台詞を言えるような人生を歩みたいと思いました。「鴨ちゃん」のご冥福をお祈りします。

毎日かあさん4 出戻り編
西原理恵子
毎日新聞社

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