うまくは言えないけど

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偏見

2007年12月27日 | TV見て一言
たまたまテレビのドキュメンタリーで性犯罪被害者の方が実名で発言されている番組を見ました。

ここ数年、徐々にではあると思いますが犯罪被害者の方が声を上げられるようになってきたと思います。しかし、性犯罪の被害者の方が実名で顔も出して発言されているのは多分初めて見ました。番組の中で聞き手が「なぜ実名を出そうと思ったのか」という質問に「なんで隠さなければいけないのですか」と言われている姿が印象的でした。

ほんとはそんなことを公で言いたい訳がないと思います。でも、彼女の言う事はもっともでもあります。被害者は何の落ち度もなく一方的に暴力を受けたのですから、本来であれば何も恥ずべき事はないはずです。しかし現実には届け出さえしない事が多数あると聞きます。ここに性犯罪の難しさがあるのかもしれません。

番組の中で被害者が自分を汚らわしく思うことがあるという話がありました。ほんとは全くそんなことはないにも関わらず、社会の中ではそういう偏見がないとは言えないように思います。そしてこういう時こそまわりのサポートが必要なのに、まわりもどう対処していいかわからない場合が多いのだという事を知りました。

被害者の方が当時付き合っていたという男性もインタビューに答えていましたが、その時の苦悩が感じられました。自分の彼女が被害にあったというだけでもつらいのに、事件の後の苦しみを助けてあげられなかった事がきっとずっと残ると思います。性犯罪が本人はもちろんですが、まわり(家族や彼氏、友人など)にも大きな傷を作るという事を見せつけられた気がしました。

ある番組で強姦を暴行と報道するのを止めた方がいいという発言をされている方がいましたが、ボクもそう思います。もちろん被害者のプライバシーは守った上でですし、強姦やレイプという言葉がニュースで流れるのは少し刺激が強いかもしれませんが、腫れ物に触るようにするのではなく社会全体で正面から向き合うようにしなくてはいけないと思います。

個人的には社会や被害者のまわりの人たちが、きちんと事実を受け止め被害者本人にケアができるようにしなくてはいけないと思います。そして被害を受けた場合、しっかり守るシステムを作り、まず被害を届け出る事ができるようにする必要があると思います。悪いのは加害者なのですから、それを許さないようにしなければいけません。

そして以前よりは厳罰化が進んだようですが、被害者が受けた傷に見合う処罰をよく話し合い考えなくてはいけないでしょう。性犯罪は特に再犯率が高いそうですし、アメリカのように性犯罪を犯した人が実名でどこにいるか分かるようにするのも一つの方法かもしれません。

現実を直視し、防止策、直後の対処法、心や体のケアなどを社会全体で考えていかなければいけないと思います。まずは彼女のようにきちんと声をあげる人を支援して、被害者の声にきちんと耳を傾けることが必要なのでしょう。


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