うまくは言えないけど

日々思う事をとりとめもなく書いています

被害者

2006年06月27日 | 日記
昨日の夜遅く、テレビを見ていると速報で誘拐事件の解決を知らせるニュースが流れました。

誘拐されたのは有名な美容外科医の娘さんで、身代金目的の犯行と言う事です。犯人も捕まりましたし、被害者も無事保護されたようで良かったです。

ただ、このニュースの報道はひどかったです。この美容外科医が出演した番組から何を意図しているのか、「3億の家をキャッシュで買った」とか「2千万のフェラーリを現金で買って当たり前」というような発言ばかりを取り上げていました。娘にも外車を買い与えてながら甘やかさないという発言も放送していました。

この人がどういう人であろうと関係ありません。どのくらいお金を持っているとか、どういう性格をしているとかと被害にあった事にあった事は全くの別問題です。あくまで被害者なのですから母親を詳しく説明する必要はないと思います。被害者の方もタレントさんでもないのだから(タレントさんでもする必要はないと思いますが)警察から出てすぐに話をする必要はないと思います。

ボクは以前から実名報道に疑問を持っていて、それは加害者だけでなく被害者も同様に実名で報道する必要があるのかと考えています。全てを匿名にしろとは言いませんが、警察の都合ではなく被害者の気持ちを尊重して実名で報道するかどうかを考えなければいけないと思います。そうでないと被害者やその身辺の人がさらに二次的に傷つく事も起きてしまうと思います。

ワイドショー的なニュースはいい加減やめてほしいものです。

ビニール傘

2006年06月27日 | 日記
梅雨に入り、徐々に雨の日が増えてきました。

ボクは以前普通の傘を使っていたのですが、立て続けに盗られたり忘れたりした事があり、少し嫌になってビニール傘を使うようになりました。ビニール傘だったら安ければ100円からあるし、まあなくしたり盗られたりしてもいいかという気持ちでした。でも最近また気持ちが大きく変わってきました。

直接のきっかけは会社で立て続けに傘を盗られた事にあります。今年に入って既に4、5本は盗られています。ボロボロの100円の傘であろうが、買ったばっかりの5、600円くらいする大きめのジャンプ傘であろうがビニール傘であればほぼ必ず盗られます。合計の被害額はたいした事はないのですが、気持ちがもやもやして仕方ありません。

なのでできるだけ傘を持って行かなかったのですが、ある日帰りに結構な雨が降っていました。ボクは濡れて帰るつもりだったのですが、会社の人に「その辺のビニール傘使ったらいいじゃないですか」と言われました。もう社内にほとんど残っていない事もあり、1本借りて次の朝に返しました。また、別の時にボクはたまたま近くで聞いただけですが、別の人が同じように傘がない人にビニール傘をすすめていました。

いやちょっと待ってください、会社もしくはそのすすめてくれる人が傘がない人のためにビニール傘を用意してくれているわけではないでしょと思ってしまいます。たいした金額じゃなく安いかもしれないけど誰かが自分が雨をよけるために傘を買っているはずです。その傘をなぜ当たり前のように人に勝手にすすめられるのでしょうか。

直接目の前で自分の傘を持って行こうとされたり、そういう事をするのが特定の人と分かっていれば言えるのかもしれませんが、傘のなくなり方からしてもビニール傘は自由に持って行っていいと思っている人がかなり多いのでしょう。同じ職場でそんな感覚の人が多いと思うとものすごく残念です。勝手にビニール傘をすすめるのはいい人に見えますが、そのせいで困る人がいるという事にどうして気付いてくれないのでしょう。

しかも1000歩譲って傘がないからビニール傘を勝手に使って帰ったのはいいとしましょう(ほんとは全然良くないですが)。なぜその勝手に持って帰った人はその傘を次の日でも持ってこないのかと思います。買ったばかりで盗られた大きめの傘はその後一度も会社で見ていません。

ただ、これは最近の日本人に限った話ではないようです。あまりにも連続で傘を盗られて頭に来て友人にこの話をしたところ、歴史好きの友人が江戸時代にも同じような話があった事を教えてくれました。ある藩(たしか土佐藩だったと思います)で客人に傘を貸してあげるのですが一向に返しにこないので、一計を案じものすごくいい傘を藩の紋を入れて貸したそうです。ところが驚いた事に返してくれるどころか藩邸の近くでも平気でその紋の入ったいい傘をさして使う人が多かったそうです。日本人の公共意識の低さによくがっかりさせられますが、江戸時代でもそんなんだったのかと思うと残念です。

そんな気持ちの時にたまたま傘屋のおじいさんから傘に対する熱い想いを聞く機会がありました。きちんとした場所に行く時ビニール傘じゃ恥ずかしいとか、デパートで売っている傘と傘屋で扱っている傘の違いなどをかなり熱く語られました。こういう話を聞いた事もあり、安いから盗られたりなくしたりしてもいいやと言う浪費的な考えもかなり嫌になっていましたし、ちゃんと傘を買おうと考えるようになりました。

しかしいざ探してみるとなかなかいい傘がありません。でもビニール傘は嫌だしなと思っていたら、ホームセンターで400円で結構大きくてジャンプでビニールじゃない傘があってとりあえずそれを使う事にしました。そうすると見事に盗られなくなりました。値段だけで言えばこの傘より高いビニール傘もアッと言う間に盗られたのに何となく複雑な気持ちになりました。

被害者の感情

2006年06月24日 | 時事問題考
山口での母子殺人事件の最高裁の判決が出ました。高裁に差し戻しではありますが、少年の死刑を容認したと受け取れる判決だったようです。ただ、最高裁は直接判決を下した訳ではなく、ここまで7年かかった裁判はまだしばらく続くようです。

普段は報道ステーションはほぼ見ないのですが、この日はなんと被害者の夫本村さんが出演されていたので見てしまいました。しかも加害者の父親もインタビューに答えていました。

ボクは以前本村さんが「裁判所が加害者を死刑にしないのなら、ボクが加害者を殺す」という事を発言した事に衝撃を受けました。この発言はかなり波紋を呼んだようですが、これは当たり前すぎるほど当たり前の感情のように思います。本村さんが立派なところは事件後から今日までずっと被害者の声をできる限り冷静に正直に世間に訴え続けてきた所ではないでしょうか。

死刑という制度にはかなり議論が必要ではあると思いますが、これほどの非道な犯罪には極刑に処すのは当然と思います。この事件の事もあり、最近の未成年者の凶悪犯罪が増えている事もあって少年法の見直し議論も高まってきたと思います。ボクは19歳ならいいけど20歳はダメなんておなしな話だと思っています。

いくつであろうが矯正できる人はできるし、できない人はできないと思います。それは年齢とは全く関係がないと思います。ただ少年法に限らず、日本の法律は死刑を除きかなり甘いのではないかと思います。例えば日本では2人を殺害しても無期にならない事も多いそうです(ですからこの事件の被害者が2人の上に被告が当時少年という事でかなり議論が出ているようです)。

この事件の被告についた安田弁護士は死刑廃止論者でこの判決には納得がいないないでしょう。弁護人ですし死刑判決を回避しようとするのは当然だと思います。被告が自分の行った行為についてほんとに深く反省をして矯正の余地もあるから無期にしてくれというなら分かります。

ただ、「判決の事実誤認を明らかにする」には大きな疑問があります。どこまで事実かは分かりませんが、死姦だから強姦致死ではないとか(どちらでも到底許されるものではないと思いますが、死姦の方が遥かに人間の感覚から大きく逸脱していると思います。)、子供なくのであやそうとしてちょうちょむすびをしたため(子供の目の前で死姦するような人が子供をあやして泣き止ますなんて考えられませんし、あやそうとして誤って殺害なんて到底信じられません)などという信じられない弁護をしているという話もあります。

もし、こういう弁護をするならこの弁護士が望む方向には行かないと思います。加害者だって人間だし、死刑を廃止したい気持ちは分かります。でも何も悪い事をしていないのに無惨に殺害された被害者やその家族の人権はどうなるのでしょうか。自分の目的のために被害者の気持ちを踏みにじるような弁護をするなら人権弁護士の名は上っ面としか思えません。

ただ、今回の最高裁の判断も犯行の内容や動機、事件の重大性、社会的影響、前科は分かります。それ以外に犯行後の情状は判断がかなり難しいと思います。今回はたまたま知り合いに手紙を出したりしたから分かったけれどももっと慎重で狡ければ思っていてもそんな事はしないでしょう(慎重で狡猾ならばこんな短絡的な犯行はしないかもしれませんが)。

しかし、最後の考慮すべき事項に被害者(遺族)の感情とあるようです。これには少し違和感をおぼえます。本村さんでなくてもこんな目にあえばひどく傷つくのが当然です。本村さんはそこできちんとマスコミに自分の気持ちを語り、世間に訴えてかけたからこの事件が大きく扱われるようになったと思います。

法律というのは国の秩序を守るためにあるのであって被害者のためにあるのではないそうです。でも国は個人の集まりですし、日本が民主主義国家というのなら被害者保護をもっと考えるべきだと思います。でもほんとは法治ではなく徳治国家に近づけばいいと思います。

嫌われ松子の一生

2006年06月15日 | 日記
スゴいものを見ました。日本のトップクリエイターがあんなにスゴいなんて衝撃的です。

映画館で映画を見るのもものすごく久々で多分「ピンポン」以来だと思います。昔は映画が好きでした。ハリウッド映画が好きで、デニーロやロビン・ウィリアムスのような名優の映画をよく見ていました。特にアル・パチーノが大好きで彼が出るというだけで見ていました。

それがいつの頃からかマニアの人に比べればたいした数も見ていないのに評論家気取りでもなっていたのか、無意識でストーリーを先読みしたり裏読みしようとしたりして純粋に楽しめなくなっていました。それであまり映画を見なくなりました。それでもたまにどうしても気になる映画は見に行っていたのですが、それもほんとごくたまになっていました。

多分、「嫌われ松子の一生」も何も知らなければちょっと狙った色物映画と思って見に行く事はなかったと思います。実際に中島監督の前作「下妻物語」はまさにアイドルを使った色物映画だと思って見に行こうなんて全く考えませんでした。

それが、この映画のポスターを担当している箭内道彦さんのエッセイにこの映画の事が書いてあって興味がわきました。このエッセイは映画というよりも監督に対する話ではあったのですが、とにかく悲惨なストーリー、しかも邦画でミュージカル、そしてものすごい映像と事でした。

それから本屋で原作やコミックを少し立ち読みしたりして、あまりの話にやっぱりちょっとなという気持ちと、でもどうにも気になる気持ちで見るかどうするかかなり迷っていました。結局箭内さん勧める日本のトップクリエータの映画という事とボニーピンクが出演するという事でとりあえず見てみることにしました。

見てみればストーリーはほんとに悲惨で、話だけ聞くと全く救いがありません。でも感動して涙がでました。松子は要領が悪くて浅はかでちょっと性格が悪かったりします。でもあきれるほど正直でまっすぐで単純で、欠点だらけでどうしようもなく人間的です。愛されている事に気づかずただひたすら愛を求めたり、とことんタイミングが悪かったり、信じられないほど悲惨なのに驚くほどポジティブだったりします。

ボクは今まで中谷美紀という女優にほとんど興味がなく、なんとなくおとなしめのいい女性風の女優さんだろうくらいに思っていました。でもこの映画でイメージが大きく変わりました。女優生命にかかるのではと思うような顔をしたり、歌って踊ったり、一つの映画の中で様々に変化する松子という一人のキャラクターを演じていて、想像を超えるがんばりだなと思いました。中島監督はそれはそれは恐ろしい監督だそうで、中谷美紀さんもかなり大変だったようですが、その苦労の甲斐があったと思います。個人的にはきれいな役より生活に疲れた感のする役がはまり役に感じました。

以前、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」という映画を見ましたが、本当に気分が落ち込みました。「松子」もこの映画に負けないくらい悲惨なストーリーでしかもミュージカルなのですが、こちらはもっとユーモラスに描かれています。人によって違うのかもしれませんが、ボクは松子をかわいそうとは思いませんでした。

この映画や松子に対しては人によって見方が全然違うと思います。多分良かったという人は多いと思いますが、それもどこが良かったかどのシーンが良かったはそれぞれで大きく違うと思います。箭内さんが見る人の間口を広げたかったという意味が見て分かりました。人間のダメな所やいい所がギュッと詰まった松子というキャラクターをどう感じるかは見る側に委ねられていると思います。

悲劇と喜劇は紙一重だと思います。同じように幸せと不幸せも紙一重でしかもそれは本人の感じ方によるところが大きいと思います。端から見ればどう考えても不幸な松子が自分の事を不幸だと思っていたかどうかは分かりません。でも少なくとも好きな男性にまっしぐらな時の松子はほんとに幸せそうでした。ほんと人の価値や人の幸せって何なのだろうと考えさせられました。

妥協のない素晴らしい映像、様々な時代風の音楽、とんでもなく悲惨なストーリー、そして魅力的な登場人物と見所が満載です。こんな邦画は見た事がありません。中島哲也というクリエイターのスゴさを感じました。そしてなにより人間くささを存分に感じられる映画だと思います。

LOVE IS BUBBLE
BONNIE PINK, Youichi Murata
ワーナーミュージック・ジャパン

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嫌われ松子の歌たち
サントラ, 木村カエラ, ch feat.B-BANDJ, BONNIE PINK, 及川リン, AI & 及川リン, Joe Himeji feat.J.
ワーナーミュージック・ジャパン

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風のハルカ

2006年06月12日 | TV見て一言
前にビデオに撮っていた「風のハルカ 感謝祭スペシャル」を見ました。

ほんとはもっと早く見たかったのですが、このドラマにはかなり思い入れがあってじっくり見たかったので、見るのが遅くなってしまいました。NHKの朝の連ドラはここ数年ほとんど見ていて、これまでに10本以上見ましたが、ボクが見た中ではダントツで面白かったです。

あまりにも面白くて後半は見れないときはビデオに録画していましたし、最後の方は毎日のように泣いていました。今までNHKの朝の連ドラは朝の準備の時に半分時計代わりに見ている程度だったのに、どうしてこんなに面白いのか、他の朝の連ドラとどこか違うのか考えてみました。

今放送中の「純情きらり」(スゴイタイトルです)見ていて思いましたが、多分この「純情きらり」はかなりNHKの朝の連ドラの王道ではないかと思います。かなりざっくり言うと主人公が自分の夢に向かって突っ走りながら、恋愛でもモテモテといったストーリーです。

主人公が夢に向かって突っ走るというのは多くて最近でも、「ファイト」や「わかば」「まんてん」などもそうでした。でもこの夢というのは例えばピアニストになりたい、宇宙飛行士になりたいとみんな自分の事が中心です。夢なので自分の事で当たり前なのですが、そのために周囲にかなり迷惑をかけるのでわがままに見える事が多いと思います。それでもドラマなので、いろいろな事が起こらないと話にならないし、それほど真剣に見ていなかった事もありあまり気になりませんでした。

でも現実はあんなにすぐに夢を見つけ突っ走れる人はそれほど多くないように思います。多くの人は夢や生き甲斐が見つからなくて不安になったり日々を後悔したりしながら、それでも日々を一生懸命生きてるんじゃないかと思います。少なくとも僕は夢や生き甲斐なんてそんなに簡単に見つかるものでもないし、見つかったとしてすぐにまっしぐらに進めるほど人間は強くないと思っています。

ハルカも初めは大きな夢がある訳でもなく、たまたま就職した旅行会社で一生懸命仕事をするうちに自分のしたいことに徐々に気づいて行きます。特殊な能力があるわけでも環境に恵まれているわけでも飛び抜けてモテるわけでもない、いわゆる「普通の人」のハルカが何事にも一生懸命に頑張っているうちに色々と道が開けて行くところが心に響いたのかもしれません。

しかもそれが人の笑顔を見たいためのがんばりというのがまたいいところです。大きな失恋や仕事での失敗、家族の崩壊などつらい事もたくさんあるけど、ほんとに不器用だけど一生懸命に誠実に対応する姿がドラマながら見ていて感動しました。一度はバラバラになった家族が形を変えても絆を確認したり、ハルカのもとに人が集まりその人たちが笑顔になっていき、それがハルカの幸せでもあるのがこのドラマの特徴だったのではないでしょうか。

それと個人的に行った事はないのですがほんの少しだけ仕事で湯布院に関わった事もこのドラマが気になる要因でもありました。また登場人物の中にも実在の方にかなり近いキャラクターも結構いたり、ハルカの家がかなり早い時期に取り壊されていたなどのちょっとした裏話を聞く機会もあり、さらに思い入れが強くなったと思います。また湯布院もいいところだけでなく、実際の今の問題点もはっきり指摘していましたし、ドラマなのですがかなりリアリティがあったように思います。

人間は強くないし、分かっていたとしてもいつも正しい行動がとれるわけでもありません。どちらかといえばそうでない事のほうが多いと思います。そういう自分や人の弱い部分やダメな部分を見るのはしんどいけれど、それをきちんと受け止めないとほんとは前に進めないと思います。それを受け止め苦しみながらも前に進もうとする姿勢がハルカには描かれていたと思います。形は違ってもハルカをはじめみんなが人間が好きで、それぞれが一生懸命に生きているというのがボクはハルカの一番の魅力だと思いっています。

最近、NHKの朝の連ドラは視聴率が落ちているそうで、主人公をオーディションから知名度が高い女優を起用するように変わったそうです。でもその最後のオーディションの「風のハルカ」が好評だったのでまたどうするか考えられているそうです。主人公の知名度が高くなくても、ほんとにいい脚本で演じる人たちが一生懸命ならば自然と視聴率は上がってくるのではないでしょうか。実際に主演の村川絵梨さんの熱演はかなり良かったと思います。放送が終わった後も出演者が集まったりするそうですし、そういう結束の強さも現れていたように思います。

結果的に視聴率的にはそれほどでもなかったようですが、HPの閉鎖が通常よりも延長されたり、かなり早い時期にスペシャルが放送されたりと実はファンが多いようです。続編やDVD化の噂もあるようですし、ぜひ実現してほしいな思います。