うまくは言えないけど

日々思う事をとりとめもなく書いています

まわりの愛情

2007年10月25日 | 本のはなし
ホームレス中学生
麒麟・田村裕
ワニブックス

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麒麟・田村くんの「ホームレス中学生」を読みました。

正直なところそれほど興味を持っていませんでした。基本的に貧乏エピソードの本だと思っていたし、それなら結構あちこちで聞いていたのでわざわざ読むほどでもないかなと思っていました。それでも40万部や60万部などと景気のいい話が聞こえてくるので、まあ機会があれば読んでもいいかなくらいでした。

それがたまたま読む機会ができたので、軽い気持ちで読み始めました。読み始めると父親からの「解散」宣言やウンコの神様の話など聞いた事がある話で、しかも文体も話し言葉のような感じだったので気軽に読み進めていました。

しかし友人の家にお世話になるあたりから徐々に引き込まれて、母親との思い出話になると止められなくなってしまいました。確かに家がなくなって悲惨なんだけど、それによってどんどん周りが助けてくれて乗り越えられたり、人のやさしさを強く感じられたりする話は心が温まります。

そして田村くんの母親への想いを初めてしりました。テレビでは母親の話をしているのを見た事がなく、そういえばお母さんは解散の時どうしていたのかなくらいに思っていました。そのお母さんがどういう方でどれだけ田村くんや家族の事を大切に思っていたか、また家族がどれだけお母さんの事を大切に思っていたかという話は涙感動しました。

なぜ田村くんが「解散」を宣言したような父親を恨み言も言わずに探していたのかも分かりました。よく考えれば兄姉もまだまだ子どもだったのに末っ子の田村くんの為にどれだけ無理してがんばったかも分かりました。かなり悲惨な上京だったにもかかわらず、ぐれる事も落ちぶれる事もなく乗り越えてこれたのは家族をはじめ多くの人の愛情があったからなんだなと思いました。

最後の母親への手紙は涙が止まりませんでした。田村くんの人柄や人の温かさが伝わってくるいい本でした。

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