うまくは言えないけど

日々思う事をとりとめもなく書いています

ぞうのせなか

2007年11月13日 | 本のはなし
ぞうの せなか (講談社の創作絵本)
秋元 康,網中 いづる
講談社

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ぞうのせなかを読みました。秋元康さん原作で映画やDVDなどいろいろなメディアに展開しているようです。

映画は役所広司さんや今井美樹さんが出演していますし、DVDのイラストもかわいくていいのですが、ボクは絵本が気に入りました。たまたまDVDを少し見る機会があった後に絵本を見たのですが、思わずグッときました。

ゾウのお父さんが家族が寝静まった夜中に出かけていきます。子ゾウは気になってこっそりついて行きます。毎晩いろいろなところへ出かけるお父さんを子ゾウはついていきます。そしてある晩子ゾウはお父さんに見つかってしまいます。そして子ゾウはお父さんから悲しい話を聞かされます。

子どもへの深い愛情と死への潔さという深い内容の話ですが、わかりやすい言葉とあみなかいづるさんの淡々としたイラストで子どもでも読める作品になっています。絵と文字のバランスもとてもよくいい絵本だと思います。ただ、内容は完全に親向けだと思います。子どもに読んであげると親の方が泣いてしまうかもしれないような絵本です。

ボクは果たしてこのお父さんゾウのように強く潔くなれるかと考えさせられました。

まわりの愛情

2007年10月25日 | 本のはなし
ホームレス中学生
麒麟・田村裕
ワニブックス

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麒麟・田村くんの「ホームレス中学生」を読みました。

正直なところそれほど興味を持っていませんでした。基本的に貧乏エピソードの本だと思っていたし、それなら結構あちこちで聞いていたのでわざわざ読むほどでもないかなと思っていました。それでも40万部や60万部などと景気のいい話が聞こえてくるので、まあ機会があれば読んでもいいかなくらいでした。

それがたまたま読む機会ができたので、軽い気持ちで読み始めました。読み始めると父親からの「解散」宣言やウンコの神様の話など聞いた事がある話で、しかも文体も話し言葉のような感じだったので気軽に読み進めていました。

しかし友人の家にお世話になるあたりから徐々に引き込まれて、母親との思い出話になると止められなくなってしまいました。確かに家がなくなって悲惨なんだけど、それによってどんどん周りが助けてくれて乗り越えられたり、人のやさしさを強く感じられたりする話は心が温まります。

そして田村くんの母親への想いを初めてしりました。テレビでは母親の話をしているのを見た事がなく、そういえばお母さんは解散の時どうしていたのかなくらいに思っていました。そのお母さんがどういう方でどれだけ田村くんや家族の事を大切に思っていたか、また家族がどれだけお母さんの事を大切に思っていたかという話は涙感動しました。

なぜ田村くんが「解散」を宣言したような父親を恨み言も言わずに探していたのかも分かりました。よく考えれば兄姉もまだまだ子どもだったのに末っ子の田村くんの為にどれだけ無理してがんばったかも分かりました。かなり悲惨な上京だったにもかかわらず、ぐれる事も落ちぶれる事もなく乗り越えてこれたのは家族をはじめ多くの人の愛情があったからなんだなと思いました。

最後の母親への手紙は涙が止まりませんでした。田村くんの人柄や人の温かさが伝わってくるいい本でした。

家族の絆

2007年07月28日 | 本のはなし
西原理恵子さんの「毎日かあさん4 出戻り編」を読みました。

最近は結構ゆったり仕事をされているようで、出版情報もあまりチェックしていませんでした。たまたま本屋さんに言ったときに並んでいました。またそのうち買おうかとも思ったのですが、表紙に「鴨ちゃん」が描かれていて、帯に「4人家族になりました」とかかれていて復縁(?)したとしり読みたくなって買いました。

毎日かあさんは今の西原さんの代表作と言っていい作品で、西原さんのはちゃめちゃぶりと愛情の深さがよく現れている作品だと思います。ほのぼのとした親子の日常を面白く描かれて、子供を持つ親の大変さと幸せさが伝わってきます。ボクは子供がいませんが、街を歩いていてもだんだん子供が愛おしく感じるようになったように思います。

西原さんが二人の子供が可愛くて仕方がないのと同じように父親である「鴨ちゃん」も同じ気持ちだったと思います。でもどうしてもお酒をやめる事ができずに、家族と離れなくてはいけなくなりました。それでも鴨ちゃんはきっとお酒はやめれないだろうと思っていました。

実際依存症の人がお酒をやめるのがどれほど難しいか、看護士の友人からも聞いていました。ただでさえ大変なのに、漫画に描かれてる姿や著書から「鴨ちゃん」には無理だろうと思っていました。それが依存症を乗り越えたとあり、家族といたい気持ちがどれほど強かったか伝わってきたように思います。

ようやく家族のもとに帰る事ができたのに不治の病に冒されていたなんてほんとに残念です。ボクが初めて「鴨ちゃん」を知ったのは多分「鳥頭紀行」でアマゾンのジャングルに行った時だったと思います。西原さんはかなり破天荒な人ですが、それに輪をかけてむちゃくちゃな人だと思った記憶があります。

それから数々の西原さんの作品に登場し、二人で釣りに行ったり結婚式をあげたりといった話を読んでいた事もあり、「鴨ちゃん」には親近感を抱いていました。離婚したあたりの著書で生きているのが不思議なくらい大変な病気を乗り越えたときもなぜか死ぬとは思えませんでした。

西原さんは世間的にはギャグ漫画家と思われているかもしれません。もちろんお笑いがかなりの部分をしめていますが、西原さんの描くせつない話は、ほんとに心に響きます。喜劇ができる人は悲劇もできるそうですが、ほんとに紙一重なのかもしれません。その中でもこの本の最後の話は涙が止まりませんでした。西原さんと鴨ちゃんの絆の深さをみたように思います。

最後の数ヶ月家族と一緒に暮らせて、最期を西原さんに看取ってもらえて確かにまだかなり若かったですが「鴨ちゃん」は幸せだったんじゃないかと思います。人間は必ず死ぬけど、死ぬ前に鴨ちゃんのような台詞を言えるような人生を歩みたいと思いました。「鴨ちゃん」のご冥福をお祈りします。

毎日かあさん4 出戻り編
西原理恵子
毎日新聞社

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マンガ 嫌韓流2

2005年10月10日 | 本のはなし
続きを書きたいと思います。

まず、この本を読んでの韓国に対する感想ですが、認識を変えなくてはいけないと強く思いました。本文のコラムにもありますが、イスラムと同じように全く日本とは異質の国だと理解しなくてはいけないという事です。顔かたちが近く、隣国ですから自分たちと似ていると思ってしまいますが、それがすでに間違いだと思います。

それは国の成り立ちが大きく違うのですがら当たり前なのかもしれません。日本は有史以来元寇はありましたが、外国から侵略を受ける事がほとんどありませんでした。それに比べ朝鮮半島は常に中国の圧迫を受け続けてきました。実際に完全に支配された事はほとんどなかったと思いますが、常に属国扱いだったと思います。

だから、小中華思想というのは言われれば分かります。中国が一番偉く、その次に自分たちで、遠く離れた日本は野蛮な国という気持ちが強いというのも理解ができます。歪んだ感情だとは思いますが、そう考えなくては常に中国からプレッシャーを受けながら民族の誇りを保つ事ができなかったのかもしれません。

韓国人が日本人を下に見ているというのであれば、今の韓国の態度も理解ができます。見下していた国の支配下に入った日韓併合などはどうしても認めたくない事実でしょう。中国と同様に韓国の言う事に文句を言う事が許せないのでしょう。しかし、反論するにはあまりにも日本人は自国の歴史を知らないと思います。

韓国の太陽政策も不思議で仕方ありませんでした。韓国は2万人以上北朝鮮に拉致されているというのに、それを解決もせずに仲良くしようなんて正気とは思えませんでした。しかし、考えてみれば同じ民族なのですから、気に食わない日本よりよっぽど北朝鮮の方がいいのでしょう。

いいと言うより同じなのだと思いました。以前韓国も竹島のあたりで漁民を4000人近く拉致した事実もあるようです。つまり、一応韓国は一見普通の主権国家にみえますが、実は中身は北朝鮮と同じという事です。強い者に弱くて、弱い者に強いという事です。

日本人は相手が怒っているとついつい自分に非があるかもと思ってしまいます。それはダメなところでもあるのかもしれませんが、日本人の良いところでもあると思っています。しかし、それにつけ込む国も多いという事だと思います。靖国問題もけっして相手が怒っているからという理由で引いてはいけないという事だと思います。

だから日本人はもっときちんと自国の歴史を学ばなくてはいけないと思います。ただ、残念ながらそういう教育はあまりされていないように思います。さらに残念な事にマスコミの言う事も鵜呑みに出来ないという事です。自分で情報を収集しきちんと取捨選択しなければ反日の都合のいいように操作されてしまうかもしれません。

中国や韓国との関係は大切だとは思いますが、多くの政治家が言うようなすりよりは非常に危険だと思います。ほんとの友好関係はお互いに相手の事をもっときちんと知り、問題点をきちんと認識して初めて改善の方向に進むのではないかと思います。もっと韓国の事を考えようと思えて、この本を読んでよかった思います。

マンガ嫌韓流

晋遊舎

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マンガ 嫌韓流

2005年10月09日 | 本のはなし
マンガ 嫌韓流を読みました。

嫌韓をテーマにし、日韓関係、韓国、韓国人といったことをマンガという形で正面から向き合った作品です。内容が過激すぎて各出版社から出版拒否された問題作だそうです。確かに内容はかなり過激に映るかもしれません。共同開催のワールドカップから始まって歴史問題や竹島問題などそれぞれのテーマで1話づつまとめられています。

出版までのいきさつはよく分かりませんが、紆余曲折あったようにも見えました。気のせいかもしれませんが、どうも本の構成がおかしいような気がします。登場人物の説明が後手後手に回っていますし、途中で内容の変更や順番の入れ替えなど、何らかの変更を仕方なくしたからかもしれません。

かなり過激とも思える内容で、全てを鵜呑みにしていいかは分かりません。状況証拠だけで全てを決めつけてはいけないと思います。本文にもきちんと憶測で特定の民族や団体に決めつけてかかるのは良くないと書かれています。自分でもっときちんと勉強してから最終的に自分なりの判断しなければいけないと思います。

ただ、この本を読んでボクの中で今までの知識がつながったこともありました。ボクは中国史がとても好きで、人気の三国志だけでなく古代から清代末期くらいまでいくつかの本を読み自分なりに勉強しました。近代中国に関してはそれほどきちんと調べた事がないのでよくわかりませんが、今の中国の日本に対する態度はある程度理解できます。

もちろん専門家のようにしっかり理解できているわけではありませんが、中国らしいなと思います。今の中国の態度にいい気分はしませんが、ボクはあの人間くささと中華思想が中国の思想の大きな部分を占めていると思っています。ただ、韓国に関しては隣国であるにも関わらず、歴史も大して知りませんでした。

ボクだけではなく、多くの日本人は韓国に対しての知識がかなり乏しいように思います。韓流ブームと言われますが、実際にボクのまわりで韓国のドラマや映画が好きという人は知りません。ファンの人たちにしても実際の韓国の事をどれだけ知っているのでしょう。ドラマや観光などあまりにも上辺しか見ていないように見えます。

少なくともボクはこの本を読むまで日韓併合など聞いた事がある程度しか知らない事がたくさんありました。竹島問題や補償問題などもぼんやりと単発でニュースを読む程度で、きちんとした認識はありませんでした。あまりにも自分が韓国に対して無知で無関心だった事を思い知らされたような気がします。長くなってしまったので、続きはまた後日書きたいと思います。

マンガ嫌韓流

晋遊舎

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