うまくは言えないけど

日々思う事をとりとめもなく書いています

妖怪

2005年08月30日 | 日記
今日、朝のNHKで水木しげるさんの特集を見ました。

水木しげるさんの人生と水木しげるさんの考える幸せについてお話をされていました。ご本人を見るのは初めてでしたが、確かに83歳くらいの見た目ではありましたが、非常に元気は話し振りでした。奥さんも出演されていましたが、ほんとに仲が良さそうで微笑ましかったです。

若い頃はとんでもなくマイペースで、学校でもなんと軍隊でも寝坊ばかりしていたそうです。軍隊では当然寝坊などすれば体罰を受けるのですが、上官が叩き疲れてもこたえなかったそうです。ある日、米軍の奇襲にあって自分以外全滅し、無我夢中で逃げて、昼も夜もなくジャングルや川を越えて行ったそうです。

そして夜中に逃げている途中に急に前に進めなくなったそうです。どんなに進もうとしても前に進めないので、仕方なく朝までその場にいるとなんと前は断崖絶壁だったそうです。前に進めば落ちて命がなかったのです。水木さんは見えなかったけどぬりかべが助けてくれたと思ったそうです。ぬりかべかどうかは別として何か不思議な力が働いたのではないかとボクも思います。

その後、マラリアにかかったり、(今日初めてしりましたが)爆撃で左腕を失ったり、現地の住民にご飯を分けてもらったりしながら何とか日本に帰ってこられました。帰国後はしばらく貸本のマンガを書いて生計を立てて、あるときマンガ雑誌の連載を勝ち取り後はトントン拍子だったそうです。

かなり波瀾万丈な人生で聞いているだけでも面白いのですが、それをまたマンガでも書かれていて非常に面白かったです。そして色々な事を経験されただけあって話に深みがあるように感じました。ボクは「ゲゲゲの鬼太郎」のしか知りませんでしたが、実は妖怪マンガ以外にも、伝記マンガや風刺マンガもたくさん描かれているそうです。

紹介されていたのは伝記マンガは近藤勇やヒトラーなどでした。近藤勇のサブタイトルが夢をつかみそこねた男でした。風刺マンガもいくつか紹介されていましたが、面白そうでした。風刺マンガは手塚治虫さんに通じる感じがありました。そういう深みがあるからこそゲゲゲの鬼太郎も面白いのだと思いました。

水木さんはお金があるから幸せとは限らないと言っていました。種類が違うだけで貧乏も金持ちも同じように悩みがあると言い、冗談めかして、自分がそうだったからと話されていました。水木さんの考えるほんとの幸せは、働かなくても食べて行ける事だそうです。働くからどうして争いが起こるという話です。

戦時中に食べ物を分けてくれた現地の人たちがとても幸せそうに見えたそうです。働かなくても食べ物がどんどん実り、それを誰にでも(見知らぬ日本人にも)分けてくれるという人たちが、水木さんの考えに大きな影響を与えたようです。売れっ子漫画家になってとんでもなく忙しい毎日やそれに対する収入も経験した上での考えですから、やはり一理あると思います。

ボクは働く事があまり好きではないですが、働く事の面白さもあると思います。何かを成し遂げるというのは充実感や達成感もあると思います。もちろんそれが仕事でなくてもいいのですが、ほとんどの人は大人になると自分の力で生きて行かなくては行けませんから、働くでしょう。

水木さんの言うようにボクも何でもあるというのが幸せだとは思いません。色々なものが無い方がシンプルで幸せな場合もあるとは思います。紹介されていた水木さんの風刺マンガで小さい頃から勉強して一生懸命働いて貯金して死ぬ間際に自分は幸せになる準備はしたけど幸せにはなれなかったという話がありました。

ボクも生活のために働かなくてはいけませんが、働くための生活にはならないようにしたいと思います。願わくば仕事も生活費を稼ぐだけの仕事にならないようにしたいと思います。幸せは人それぞれだと思いますが、自分で幸せだと思えるように日々を過ごしたいなと思いました。水木しげるさんのマンガを読んでみたいです。

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2 コメント

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Unknown (kontiti)
2005-09-04 00:18:34
お久しぶりです。「生活のために働くけど、働くために生活したくない」とは、何とも今の私にはズシッと響く言葉です。

いま私は正に働くために生活しているからです。以前半年程職無しだった時に、(今度働き始めたら、絶対また無職にはなりたくない!)と強く感じました。学生時代はとにかく早く、この堅苦しい団体生活から抜け出したい!と思ってたのに、実際にドコにも属さなくなった時に、どれほど自分が帰属が無いと弱い人間だったのか気付きました。

ごめんなさい、ちょっと脱線しすぎかも知れませんね(笑)ただ、今の生活は楽しい!と思えるモノでは無いので、「自分は幸せになる為に準備したけど、幸せになれなかった。」事にならない様に、水木氏の様に、(働かないで暮らせるのが幸せ)と思えるようになりたい。と本当に考えさせられてしまいました。頑張ってる自分に踊らされて、本質を見失わないように。
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kontitiさん (thetsurai)
2005-09-05 15:27:19
「生活のために働かなくてはいけませんが、働くための生活にはならないようにしたい」というのは、やはりあくまでも理想です。現実はやはりそうもいかない事が多いと思います。

実際に何かに所属しなくては、大多数の人は暮らしていけないと思いますし、属していなくては不安なのも当然だと思います。

ただ、自分なりに仕事についてはもっとよく考えたいなと思っています。ほんとボクも本質は見失わないようにしたいと思います。
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