なんというすざましい戦いであろうか。瞬くことさえ許さないような興奮の連続、胸を締めつけるよう緊迫感、胃が痛み出す試合の流れ、5万人収容のスタヂアムに一席の空きがない、それどころか、世界中でこの試合を見つめる、日本やアメリカは、顔色を変えて、のどを嗄らして叫ぶ。
試合終了のホイッスルがまじかな三分前、奇跡が起きる。澤がコーナーキックのボールを最前方にでて、得点したのだ。神技としか表現がない。
実は、この日は、全英オープンがあり、日本にもなじみが深い、北アイルランドの42歳のダーレンクラ―クが荒れ狂う英国特有の気象のなかで、落ち着いたプレーを続け、クラレットジャグの栄冠をものにした。グレームマクドエル、ロリーマクロイにメジャー獲得を先を越されたが、5年前の癌で愛妻なくし、
元気もなくしていたが、見事、完全復活を成し遂げた。このタイトルの重みは、おおきい。ダーレン、おめでとう。待っていた勝利だよ。
その時間帯は、その歴史的一戦は、この全英オープンの余韻が残るの中、世界一を争う、なでしこジャパンのステージであった。75歳から83歳まで集まった10人足らずの仲間は、この一戦を楽しみにしていた。刻々と過ぎ行く時間は、興奮のるつぼと化した。高齢者の仲間たちは、いつしか、青年に還っていたのだ。各々が、叫ぶ声は、実に若さの象徴のように、己を忘れた。行け!なでしこ、そこだ!」なでしこ、がんばれ!なでしそこ、まさに人間75年の足踏みが、55年も若帰った瞬間である。
苦しい、悲しい、悲惨、慟哭、憤怒、諦め、虚脱、あの大震災の日本、’このなでしこJapan の女性戦士たちが、なによりも、なによりもデッカイ希望と勇気をすべての日本人に与えてくれた。’いや、世界中の人を感動させたことには言をまたない。
65歳以上が全人口の割合を増加させていく今、我々、日本も若さを取り戻さなければ、命ある限り、老人国家に埋没しては、撫子ジャパンの戦士たちに
申し訳ない。万歳、撫子Japan ,ありがとう、ありがとう。ありがとう。君たちは日本の救世主だ。