子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

大阪で教科書問題にとり組む市民運動の交流ブログ

教科用図書採択の4採択区化にともなう採択制度の改善を求める要望・質問書

2019-04-27 22:14:40 | 大阪市の教科書問題
4月23日、大阪市教育委員会議において非公開で「平成32年度使用教科用図書の採択について」が審議されています。
おそらく4採択地区化に伴う採択制度の変更について審議したものと思われます。
採択制度の変更は、教科書採択にとって極めて重要な情報であり、教科書採択の公平性、透明性を確保するためにも、審議内容の公開は極めて重要です。
しかし、今回非公開で審議し、市民にオープンにしませんでした。これは重大な問題です。
私たちは、非公開審議が行われることが分かった時点で、改めて要望・質問書を提出しました。

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2019年4月21日
大阪市教育委員会 山本晋次教育長 様

2020年度使用教科用図書採択の4採択区化にともなう採択制度の改善を求める要望・質問書

子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会

 12月25日、貴教育委員会は、教育委員会議において来年度の小学校教科書採択から、採択地区を現在の全市1区から4区に複数化することを決めました。2月21日には、大阪府教育委員会で正式決定されたとおろです。
 1月7日、私たちは、貴教育委員会に「2020年度使用教科用図書採択の4採択区化についての要望・質問書」を提出し、2月18日にはその回答を頂きました。しかし、私たちが詳しく採択制度の改善を求めていたにもかかわらず、貴教委は「公正かつ適正な採択となるよう進める」「一層充実したものになるよう務める」等、極めて一般論による回答になっていおり、納得のできる内容ではありませんでした。
 しかし、貴教委では、昨年10月2日の教育委員会議で「採択の仕組み(案)」や「委員会・調査会などの業務(案)」の審議を非公開で行っていました。私たちが会議録の公開を求めたところ、貴教委は「今後会議録を作成し、順次HPにおいて公開する予定」(2018年12月18日)と回答しているが、7ヶ月たった現時点でも公開されていません。また今4月23日の教育委員会議でも「平成32年度使用教科用図書の採択について」も非公開で審議を行うとしています。4採択地区化に伴う採択制度の変更について、市民にオープンにすることなく秘密裏に審議をしています。
 山本教育長は、市会で採択された教科書採択方式の3点の改善に関する陳情書や大阪市外部監察チームの報告書を踏まえて、何度も「オープンな場での議論」を表明していたににもかかわらず、採択制度の変更に関わる審議を非公開にしたままです。
 貴教委は、今年度からの採択制度に関して「ブロックごとに教科用図書の調査研究を行うことで、より現場の意見に即した教科書採択事務を進めることができる」としました。ならば、「より現場の意見に即した教科書採択事務」を進めるため、選定委員会や専門調査委員会の制度改善はもとより、学校調査の中で「現場の意見」をこれまで以上に吸い上げ、ブロックごとに地域・学校の特色を出すことが決定的に重要です。
 私たちは、これらの重要な制度変更に関して、以下のの要望を受け止め制度化に活かしていくことを求めます。また、審議の過程を市民に公開することを求めます。貴教委は、5月の教育委員会議において具体的な教科書採択制度について決定していく可能性があります。それを踏まえて、早急な回答と「協議」の場の設定を求めます。

要望及び質問

(1)貴教委は、「ブロックごとに教科用図書の調査研究を行うことで、より現場の意見に即した教科書採択事務を進めることができる」と採択区の複数化の理由を表明しました。しかし、採択区を複数化するだけでは「より現場に即した」採択を進めることはできません。複数化とあわせて、それぞれのブロックでの採択手続きを改善していくことが重要です。
 それぞれのブロックにおいて、「より現場の意見に即した教科書採択事務を進める」ためにどのような採択手続きの改善を図ろうとしているか、具体的に示してください。また、教育委員からどのような意見がでているかも教えてください。

(2)私たちは、ブロックごとに現場の意見を吸収するためには、ブロックごとに選定委員会・専門調査委員会を設置することは必要不可欠だと考えます。
 ブロックごとに選定委員会・専門調査委員会を設置する予定であるかどうか教えてください。

(3)「より現場の意見に即した教科書採択事務を進める」ためには、現行の学校調査のやり方を改善していくことが決定的に重要です。現行の採択制度の「学校調査」において「特に優れている点」に◎、「工夫や配慮を要する点」に△をつけて記述するようになっていますが、◎、△が明確でない「学校調査」もあり、学校の意見が十分に示されているとは言えません。しかも「学校調査結果(集約)」においても、「特に優れている点」や「工夫や配慮を要する点」が記述されていますが、発行者間で記述項目に差が出ないようになっており、いっそう学校の意見は不明瞭になっています。
 これらの現状を踏まえるならば、学校調査は各学校の希望する教科書をより明確に示す調査方法にすることを求めます。
 貴教委での審議状況と見解を聞かせてください。

(4)「専門調査委員会調査結果」を作成する際の記入例の中には、「発行者間で○印の数が大きく差が出ないようにします。」とあり、「調査結果」において発行者間で差が出ないように意図的な指示を行っています。現場の意見に即した採択を行うためには、上記の指示は削除すべきです。
 貴教委のお考えを聞かせてください。

(5)「専門調査委員会調査結果」の「総評」には、概ね3文構成で、「特に優れている点」の中から顕著なものを記述しているだけであり、発行者ごとの違いが明確になっていません。発行者ごとの違いが明確になるような記述の仕方に改善するように求めます。
 貴教委のお考えを聞かせてください。

(6)私たちは、今年度の採択制度・採択方針を決定する教育委員会議までに、そこに到る審議状況の公開を求めます。具体的には2018年10月2日、10月30日、2019年4月23日の教育委員会議での配付資料と会議録の公開を求めます。そうでなければ、外部観察チーム報告書でも批判された実質審議を秘密会で行い、結論だけを公開の場で行うという市民無視の姿勢に逆戻りすることに他なりません。
以上

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