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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

万博も開幕し、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

京都・平野家本家の「いもぼう」を食す!

2020年10月23日 | グルメガイド
会社の先輩(OB)たちが作る「京都食べ歩き同好会」という会があり、私も過去に何度か参加させていただいた(「野むら山荘 鳥亭」「西陣 魚新」など)。そこで酒宴になったとき、必ず飛び出すのが「いもぼうは美味しかったなぁ」という話だ。口火を切る人は特定の1人なので、その人だけの意見かも知れないが、皆さんうなずいているので、あながち間違いではなさそうだ。名古屋からの帰りには(2020.10.5)、ランチは京都で食べることにしよう、と決心した。


四条通りはこんな状態!月曜日の午前とはいえ、これには驚いた


八坂神社西門前にも、人影はない


こちらは南門

しかし困ったことに円山公園には「平野家本家」と「平野家本店」の2つの店があり、どちらに行けば良いのか分からない。ルーツは1つのようなので大差ないのだろうが、何か事前に情報を得ておきたい。そこで本棚から取り出したのが國分綾子著『京都味しるべ』(駸々堂出版刊)という本だ。私が持っているのは昭和52年に出た改訂版である。店の選定も文章もシッカリしているので、私はバイブルのようにしている。果たしてこの本に出ていたのは、「平野家西店」だった。写真を見るとこれは明らかに「本家」の方だった。文章を引用すると、


境内ではハギが咲いていた。万葉集で、最もたくさん詠まれた花だ



海に遠い山国京都では、生(なま)の魚をふんだんに使えない代わりに乾物、塩ものといった食品の料理が発達した。芋と棒だらの料理「いもぼう」はその代表的な京の料理である。唐の芋またはえび芋を、北海道の棒だらと合わせてたくには特殊な技術がいる。もともといもぼうは京の人々が台所でたく、月々のごちそうであった。


円山公園も、こんなありさまだ




こちらは平野家「本店」


私が入った平野家「本家」の店内

平野家は初代平野権太夫という人が粟田口の青蓮(しょうれん)院に仕え、そこの宮が九州から持ち帰られた唐の芋を拝領して、栽培したところ、すぐれたものがとれた。そこでそれをたらとたき、食べさせたところ評判をとってついに店を出し、名物にしたといういわれがある。享保年間のことで以来約300年。そのふっくりとした棒だら、やわらかく味のしみた芋などの家伝の味はさすがで、多くの人々から愛され親しまれている。



このえび芋と棒だらのたき合わせ――いもぼうの他、梅椀、おしたし、香の物、季節ご飯(えんどうまたは栗ご飯)などでワンセットになっており、お好みで2、3の皿もつく。故吉川英治氏はじめ東京からの愛好者も多く、若い人たちからも好まれている。近くに同じ系統の平野家本店の店もある。



私は「雪御膳」(いもぼう、とろろ海苔巻、小鉢、梅椀=吸物、ごはん、香の物)2,500円(税別)を注文。これが吉川英治も愛したという「いもぼう」だ。唐の芋(とうのいも)もえび芋も、要はサトイモの仲間である。私はスーパーで売っている冷凍の皮むきサトイモのようなものと思っていたが、もっと大きくて柔らかくて、中まで味がしみ込んでいる。おでんで言えば、ジャガイモというより、よく味のしみた大根のような趣きである。


お茶に小菓子がついてきた

雅び(都の美)を尊ぶ京都らしからぬ俚(さとび=山里の美)の料理だ。そういえば「にしんそば」もこのカテゴリーに入る(=山の幸+海の幸)。棒鱈もサトイモも、クラシックなおせち料理の定番なのでシニアには「懐かしの味」だが、これが今の若い人に受け入れられるだろうか、と少し心配になった。

しかしこのような料理に仕立てるワザには舌を巻く。みなさんも、いちどお訪ねください!
※平野家本家の公式HPは、こちら
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秋といえば、コスモス vs 法起寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第73回

2020年10月22日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(2020.10.15)掲載されたのは「コスモス彩る世界遺産/法起寺(斑鳩町)」、執筆されたのは、大和郡山市在住の同会理事・大江弘幸さん。大江さんは、6月21日の総会で理事に就任されたばかりの期待の新人である。きれいな写真とともに、法起寺のコスモスを紹介された。では、記事全文を以下に貼っておく。

606(推古14)年に聖徳太子は、岡本宮で法華経を講話されました。聖徳太子の遺命により、山背大兄王がこの岡本宮を寺に改めたのが法起寺(ほうきじ)と伝えられています。638(舒明10)年に弥勒(みろく)像と金堂が造立されました。さらに、706(慶雲3)年に三重塔が建立されましたが、それは、現存する日本最古の三重塔で国宝となっています。

創建当時の伽藍(がらん)配置は金堂が西、塔が東で、法隆寺とは逆でした。奈良時代には栄えていましたが、平安時代以降衰微(すいび)し、鎌倉時代に塔や講堂が修理されたものの、江戸時代に入ると三重塔を残すのみとなりました。その後、寺僧らの再興努力により三重塔の修復、講堂の再建、聖天堂が建立され、現在の姿になりました。

1993(平成5)年には「法隆寺地域の仏教建造物」として法隆寺とともに、日本で最初のユネスコ世界遺産に登録されました。秋も深まる頃、寺を取りまく田畑にはコスモスが咲き誇ります。朝の陽光に包まれ、夕日に映えるコスモスを背に浮かび上がる三重塔は、見る者の心を打ちます。いつまでも残しておきたい奈良の景観資産です。(奈良まほろばソムリエの会理事 大江弘幸)

(宗 派)聖徳宗
(住 所)生駒郡斑鳩町岡本1873
(電 話)0745・75・5559
(交 通)JR法隆寺駅からバス「中宮寺前」下車、徒歩約15分 もしくは近鉄筒井駅からバス「法起寺口」下車、徒歩約10分
(拝 観)8時半~17時(2月22日~11月3日)、8時半~16時半(11月4日~2月21日)、300円 
(駐車場)無


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串たつ名駅本店で、本場の手羽先唐揚げ!

2020年10月21日 | グルメガイド
名古屋第1日目(2020.10.4)の夜は、備長炭串焼きの「串たつ名駅本店」へ。何しろランチが「ひつまぶし」の極上だったので、夜は軽めにと考えて焼鳥屋を選んだのである。串たつは名古屋駅から500m足らず(地下鉄名古屋駅からなら徒歩3分)、という好立地にある。お店のHPには、
※トップ写真は、名物「手羽先唐揚げ」450円(税別価格、以下同じ)


入店時には、まだ黄昏時(たそがれどき)だった

【名古屋駅徒歩3分】広々最大40名様までの宴会が可能!
ご宴会から歓送迎会は、ご友人、大切の方と40年の歴史ある串をお愉しみください。当店で!宴会のコースは2,300円(税別)から受付中。鮮度にこだわり!朝挽きの新鮮な鶏を使用。匠の技で丁寧にさばきます!



手羽先唐揚げと同時に注文した「もつ煮」400円

朝早くから丁寧に串打ちを1本1本 心を込めてに仕込みます。そして当店こだわりのひとつ炭焼き備長炭にて一気に絶妙な焼き加減で仕上げます!その後、串たつ創業40年間継ぎ足しの秘伝タレにつけ込み仕上げ、皆様に当店自慢の串を愉しんでいただきます。


左下から時計回り「ぼんじり」280円×2、「したごころ」130円×2、「しそせせり」160円×2


いつの間にか外は真っ暗

最後に博多もつ鍋で締めようと思ったが、メニューをよく見ると「注文は2人前から」となっていたので、諦めた。ホテルでもらった2日間限定のGoToトラベルの1,000円分のクーポン(金券)があったので、コンビニで夜食を買うことにした(串たつではクーポンが使えなかった)。



2,000円で泊まれ、1,000円のクーポンがついてきて、おまけにジパング倶楽部で3,420円の割引適用(京都⇔名古屋の往復)、という格安ツアーとなった。GoToトラベルの期間は、2021年2月1日のチェックアウトまで。これは体力の続く限り、利用しなければ!
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観光振興で、地域経済の活性化を/奈良新聞「明風清音」第47回

2020年10月20日 | 明風清音(奈良新聞)
奈良新聞「明風清音」欄に、月2回程度寄稿している。先週(2020.10.15)掲載されたのは「観光で地域活性化を」。南都経済研究所の『ナント経済月報』2020年9月号に載った秋山主任研究員のレポートだ。このレポートは、当ブログの観光地奈良の勝ち残り戦略(第133回)(9/16付)でも紹介させていただいた。では奈良新聞の記事全文を以下に貼っておく。

南都経済研究所の『ナント経済月報』9月号に、「観光振興を地域活性化につなげるための方策」という力の入ったレポートが載っていた。筆者は旧知の秋山利隆さん(主任研究員)だ。
コロナ禍で深刻な影響を受けている観光産業について《地域を牽引する基幹産業として地域とともに成長していくための施策について中長期的な視点から検討していく》とする。以下、要点をかいつまんで紹介する。

▼奈良市の「稼ぐ力」は弱い
《奈良市は、宿泊業の付加価値額と従業員数が全国の約2倍となっており、観光地としての産業構造を有している》。しかし地域経済の自立度を示す「経済循環率」では全国で46位(ビリから2番目)。《京都市、金沢市に比べて地域外から収益を稼ぐ力が乏しい》。

▼観光客数の増加
観光産業の需要増加を地域経済全体の底上げにつなげる方法の一番目は、「観光客数の増加」。《歴史遺産に恵まれ関西国際空港からのアクセスも良い奈良県にとっては、的確な観光PRとインフラ整備を行うことで、2019年までは実現できていた》。それどころか《コロナがなければ適正な観光客数を模索する時期に来ていたかもしれない》。私もコロナ前の奈良公園の状況は、すでにオーバーツーリズムの様相だったと感じる。

▼観光消費単価の引き上げ
奈良県は「日帰り観光が多い」「特産品が少ない」といわれる。《滞在型観光の推進、吉野地域など奈良県中南部の観光資源の発掘と観光客の周遊促進、夜のイベントの充実など様々な施策を講じているが、奈良県の観光消費単価は日本人14,510円(全国44位)、外国人6,530円(同47位)といずれも全国最下位の水準》。南都銀行が主催した2年前のシンポジウムで、山田桂一郎氏は「富裕層が好む高額な土産物などを開発して売れば良い。いわゆるシャワー効果を狙うべきだ」と指摘され、これには私も共感した。

「ナイトライフを充実させよ」との声もあるが、秋山さんは《夜の楽しみは観光客だけのものではなく、企業活動や日常生活における需要も取り込み成り立っている》。私は過去に7年ほど京都市内で勤務し、夜にはよく四条河原町などにくり出した。お客は大半が京都市内で働く人たちで、観光客は少なかった。奈良でこれをやるにはムリがある。

▼県内自給率の改善
土産物も《修学旅行生に人気の鹿のかぶり物やご当地クッキーなど多くが県外産品で、土産物屋の目立つ場所に陳列されるケースが多い》。しかしホテルなどの売店では《特産品である奈良晒(さらし)や木工製品等がまとめて展示され、地場産業としての歴史も説明されている》《奈良ならではの山の幸や食文化に、県産のブランド野菜・肉、日本酒・クラフトビールなどを組み合わせて提供できれば、観光客を満足させるとともに、県内自給率を改善できる》。

前述のシンポジウムで藻谷浩介氏は「地産地消」をひっくり返して「『地消地産』が大事です」と強調した。観光客や地元民など、地域で消費されるものは地域内から調達すべき。例として「大阪のたこ焼きは地消地産になっていない。小麦粉はオーストラリア、タコはアフリカのモロッコから調達している」。

秋山さんは「地域商社の設立、6次産業化」の必要性を指摘。《官民協働でできるところからスタートさせ、観光振興に貢献し、地域経済の底上げを図っていかなければ》と提言する。全文は同研究所のサイト内「特集(特別調査・研究)」で読める。ご一読をお薦めしたい。


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ひつまぶし 名古屋 備長エスカ店で、ウナギを堪能!

2020年10月19日 | グルメガイド
名古屋に出かける用事があったので、例によってGoToトラベルを使って安く泊まれないか検索してみると、素泊まりで2,000円台というビジネスホテルがヒットした。おお、これは安い!日帰りする予定を前泊に変更した(2020.10.4~5)。別途1,000円分の金券がついてくるという。おまけに私はJRのジパング倶楽部の会員なので(男性は65歳以上、女性は60歳以上)、JR運賃も新幹線も3割引になる。つまりトリプルで割引が利くのである。この時期、GoToが使える限り旅行しないと損々、ということだ。



初日(10/4)のランチは、名古屋駅新幹線改札口スグの「ひつまぶし 名古屋 備長エスカ店」へ(名古屋市中村区椿町6-9 エスカ地下街)。ウナギを一切蒸さず、備長炭で焼き上げるのだという、これは美味しそうだ。メニューをみると、ひつまぶしは3,400円(税別、以下同じ)、上ひつまぶし4,250円、特上ひつまぶし5,800円、極上ひつまぶし7,700円とあった。特上と極上は約2,000円の開きがある。するとやはり「極上」はよほどの贅沢品なのだ。ホテル代も交通費も浮いたことだし、ここは長谷寺の舞台から飛び降りる気持ちで「極上」を奮発した。出てきたのが写真のひつまぶしだ。


極上ひつまぶしは、税込みだと8,470円になる

ウナギが2階建てになっている。 しかしご飯を掘り進んでいくと、おおっ!ご飯の中にまたウナギが埋もれていた。地上2階、地下1階の3階建てだったのだ!これはさすがの極上品。しかもウナギの表面はパリッ、中身はふっくら、さすが備長炭で焼き上げただけのことはある。私はセオリーどおり1/3はそのままで、1/3はワサビとネギを添えて、最後の1/3は海苔など具材をすべて放り込み、お茶漬けでいただいた。




吸い物を肝吸いに変更したので、税込みでプラス165円。支払い額合計は8,635円



あ~美味しかった!1年分のウナギを一気に平らげた気分である。やはり名古屋はひつまぶしだ。あとでお店の公式HPを見ると、梅田のグランフロント南館にも出店していた。今度、ここのひつまぶしが懐かしくなれば、梅田にくり出すことにしたい。
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