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田中利典師の「書くこと、話すこと」

2023年06月28日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「書くこと、話すこと」(師のブログ 2012.5.5付)だ。師はよく「書くことは得意だが、話すことは苦手」とおっしゃる。思い出すのは、20年ほど前に刊行された師の『修験道っておもしろい!』(白馬社刊)。勤務先で社内報を担当していた先輩が、「この本、面白いで」と言って貸してくれたのである(おそらく上市支店が頂戴したものが、転送されてきたのだろう)。

確かに、面白くてすらすら読める。その時に「文章の上手なお坊さん」として、師の名前を記憶し、のちにブログ「山人のあるがままに」を読むようになった、という経緯がある。しかし「話すことは苦手」とは全く思わなかった。師はよく「私は、終了時間を守ることだけで取り柄です」とおっしゃって笑いを取る。だが「終了時間を守ること」は大切なことで、平気でオーバーするお坊さんや神主さんがとても多いのだ。

「事前に原稿を用意している」ということは、存じ上げなかった。ごく自然にお話になるので、原稿を読んでいる感は全くなかったからである。講演スタイルも、人によっていろんなやり方があるものだ。では、全文を抜粋する。

書くこと、話すこと
私は今でこそ人前で話すようになりましたが、本当はとてもそれは苦手なことでした。下手な文章ですが、話すより、文章を書いていた方が心地よい人なのです。

35歳の頃に本が出せたのも実はそういう気性から、ああいう文章を綴ってきたからです。今でもこういうブログや最近ではツイッターなど、こまめに文章が書けるのも、私の性分なのです。メールもお手紙もさくさくと書けますし…。

ところが世界遺産登録を前後して、人前で話す機会が爆裂的に増えました。なにしろ多いときは月に6,7回の講演を依頼されたことがあります。10月~11月の2ヵ月で13回の講演をしたこともあるくらいです。講演が主たる仕事ではない身にとってとんでもない時期がありました。

そのうち、お金をもらって行う講座などにも呼ばれるようになると、もうこれはしゃれでしゃべるようなわけにはいかず、真剣勝負のような場面を何度も経験させていただきました。

今でもそうですが、ほとんど、事前にお話しすることを書いて準備をしてないとうまくお話しはできません。フォーラムでもシンポでもそうです。そういう準備のない会話はいたって苦手です。実は電話も苦手なのです。おしゃべりな人間ですが、お話しするのはやはり苦手。よほど親しい人でないと電話で話は出来ません。今夜の夜間拝観法話も、原稿があります。

でも経験値は凄いですね。だんだん慣れてきて、最近は書くことより、お話しをする機会が増えてしまいました。まあ文章は大したことがないので、しょうがないのでしょうが。もうあがったりはあまりしません。6000人の前で、スピーチしたり、いろんな経験がありがたいです。

それでも、本当は今でも人前で話すことは苦手なのです。苦手なのですが、でも、それをしなくてはいけなくなってしまったように思います。覚悟、しないといけないようです。頑張ります!

追伸 今夜の夜間拝観で、権現様に覚悟を迫られました。怖かったです。
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