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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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Topic 中国経済、「ルイス転換点」に

2010年06月19日 | お知らせ
フジサンケイビジネスアイ(6/14付)の最終面(ブルームバーグ グローバルファイナンス)に《中国「世界の工場」に幕 労働力不足と賃上げ ルイス転換点に》というKevin Hamlin氏(ブルームバーグ)のレポートが載っていた。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100614/mcb1006140508011-n1.htm

「ルイス転換点」とは聞き慣れない言葉だが(私は経済学部卒だが知らなかった)、同紙の「用語解説」によると《1979年にノーベル経済学賞を受賞したイギリスの開発経済学者、アーサー・ルイスが提唱した概念で、農業部門の余剰労働力が底を突き、賃金増加、消費拡大、インフレ率上昇が進む時点を指す。ルイス転換点を超えると、製造業の競争力と成長のペースは落ちるといわれる》とある。

記事には《中国が「世界の工場」としての役割と決別するときがやってきた。余剰労働力が減少していることに加え、賃金が上昇したことによって、外国企業が生産拠点を設置しても採算がとれなくなる分岐点を迎える見通しになった。経済学者らは、世界の工場役が今後、インドやベトナムに移るとみている》。

中国各地でスト多発 当局はびくびく


《都市部での労働力不足はすでに現実のものとなっている。麻や皮製バッグなどを製造する深圳市聚豊工芸品は2月の春節(旧正月)休暇明けに帰省した従業員が再び職場に戻ってこないことを懸念。パーティーを開いてプレゼントを贈り、1000キロ離れた故郷の町まで送迎バスを出すなどの取り組みを行った》。

《都市部の労働力不足には、中部と西部の発展が影響する。4兆元(約53兆円)規模の景気刺激策に支えられて建設ラッシュが進んだこと、銀行融資が過去最高を記録したことが、内陸部での就業機会を促進している。深圳市聚豊工芸品の営業部長は「内陸部での求人が増えたので、工員は妻子のもとを離れたがらない」と話した》。

《国家統計局によると、中国沿岸部で働く人の数は、内陸部の賃金が上昇したことから、昨年880万人減少した。CICCの哈氏は沿岸部と内陸部の賃金格差が、5年前の15%から5%に縮小していると指摘した。国家統計局の盛来運・報道官は「沿岸部の賃金はさほど魅力的ではない。若い出稼ぎ労働者はよりよい労働条件と福利厚生を提供してくれる企業を求めている」と話した》。

ずいぶん以前から、「中国の高度成長は上海万博まで」とささやかれていたが、ここへきて「ルイス転換点への到達」という形で現実のものになりそうなのは、感慨深いことである。中国では工場で賃上げ要求など、大規模な労働争議が相次いでいる。最近ではホンダやブラザー工業でもストライキが発生し、操業停止に追い込まれていた。すでに生産拠点は、ジワジワと中国からインド、ベトナムに移りつつあるが、この動きに一層の拍車がかかることだろう。

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