
昨日(11/30)の毎日新聞奈良版に《地元職人と交流 情報館と旅行会社、ならまちで新ツアー》という記事が載った。《奈良市の奈良町で、ガイド付きで名所を回り、地元の職人らと交流もできる団体向けツアーがスタートした。街の歴史や文化を観光に生かそうと、奈良町情報館などと旅行会社が提携。平城遷都1300年祭の奈良ブームを一過性にせず、根付かせる狙いもある》。
※同ツアーのニュースリリース(JTB西日本)
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=212
《ツアーは、元興寺などを巡り、同館で地元住民の話を聞く「新旧ならのまちづくりコース」と、清酒発祥の地とされる清水通りの蔵元を回り、老舗を見学する「水の恵みと産業見学コース」がある。いずれも同館を運営する地域活性局の藤丸正明さんらが案内》。
《見学場所の一つ、墨の老舗「松寿堂」では、菜種油のすすから作る高品質の奈良墨の歴史や工程を店主が説明する。藤丸さんは「今のならまち観光は、店や寺を見て帰るだけ。地元の人と接点を作り、もっと魅力を知ってもらいたい」と話す。ツアーはJTBの「地恵のたび ならまち」として販売。対象は8人以上の団体。問い合わせは同社西日本国内商品事業部(06・6260・5253)》。
JTB西日本の「地恵のたび」とは、地域おこしのモデルケースを訪ねる「着地型旅行」のことである。同社のニュースリリースによると《地域の特性・特産物等の恵みを活かしてアイデア溢れるまちおこしに成功した地域(事例)を訪ね、創造力を養い、新たな地域活性化に役立て、たびを通じて交流の輪を広げることを目指しています》。JTB西日本が昨年2月に発足させた「地域交流ビジネス推進室」の企画によるツアーである。
これまで催行されたツアーとしては
○第1弾「地恵のたび堺」、第2弾「地恵のたびいろどり」
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=146
○第3弾「地恵のたび尼崎」、第4弾「地恵のたび家島」
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=194
○第5弾「地恵のたび天神橋」、第6弾「地恵のたび東大阪」
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=211
いよいよ大手旅行社も、着地型旅行に本格参入してきたのだ。なお着地型旅行とは、国土交通省(総合政策局旅行振興課)によると《旅行・観光の目的地である各地域(=着地)側が有する個別の観光資源(自然、歴史、産業、街並み、文化等々)に係る情報及び着地側での人びとの観点(例:各地域での体験・学習等の活動)を重視して企画・立案・実施されるのが『着地型旅行』である》。
《各地域が有する個別の観光資源のもつ魅力を旅行者が直接体験できるような旅行や観光へのニーズが強くなってきている。このようなニーズに対応できる旅行サービスは、基本的には各地域、すなわち着地側で発信する個別の観光資源に関する情報やその活用方策の提案が核となって旅行が実施されることから、これらは『着地型旅行』として捉える》。
※参考:地域密着型ツアー(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/d737a5ccd296ef6719d75fba50d6076d
その栄(は)えある県内第一号にならまちが選ばれ、奈良町情報館の藤丸タダアキさん自らがガイドされる、というのは素晴らしい。見学地の元興寺、今西清兵衛商店、松寿堂なども、適切な選択である。
県のポスト1300年祭構想(基本戦略)には《“巡る奈良”をテーマに周遊型観光地としての魅力を高めます》とある。その戦略の実現のためにも、「着地型旅行」への注力が必要だ。今後は、着地側(観光客を受け入れる地域)のツアー誘引力・情報発信力や企画力、地元の観光団体や地域おこし団体との固い連携が、ますます問われることになるだろう。
今回のJTBとならまちの連携は、その大きな第一歩である。奈良県は「自然、歴史、産業、街並み、文化等々」の「着地側が有する個別の観光資源」に満ちあふれている。地域おこしに携わる皆さん、ぜひタダアキさんに続いていただきたい。
※トップ写真は、奈良町情報館オープン時の写真(07.10.5)。右端が藤丸タダアキさん
※同ツアーのニュースリリース(JTB西日本)
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=212
《ツアーは、元興寺などを巡り、同館で地元住民の話を聞く「新旧ならのまちづくりコース」と、清酒発祥の地とされる清水通りの蔵元を回り、老舗を見学する「水の恵みと産業見学コース」がある。いずれも同館を運営する地域活性局の藤丸正明さんらが案内》。
《見学場所の一つ、墨の老舗「松寿堂」では、菜種油のすすから作る高品質の奈良墨の歴史や工程を店主が説明する。藤丸さんは「今のならまち観光は、店や寺を見て帰るだけ。地元の人と接点を作り、もっと魅力を知ってもらいたい」と話す。ツアーはJTBの「地恵のたび ならまち」として販売。対象は8人以上の団体。問い合わせは同社西日本国内商品事業部(06・6260・5253)》。
JTB西日本の「地恵のたび」とは、地域おこしのモデルケースを訪ねる「着地型旅行」のことである。同社のニュースリリースによると《地域の特性・特産物等の恵みを活かしてアイデア溢れるまちおこしに成功した地域(事例)を訪ね、創造力を養い、新たな地域活性化に役立て、たびを通じて交流の輪を広げることを目指しています》。JTB西日本が昨年2月に発足させた「地域交流ビジネス推進室」の企画によるツアーである。
これまで催行されたツアーとしては
○第1弾「地恵のたび堺」、第2弾「地恵のたびいろどり」
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=146
○第3弾「地恵のたび尼崎」、第4弾「地恵のたび家島」
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=194
○第5弾「地恵のたび天神橋」、第6弾「地恵のたび東大阪」
http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00049&news_no=211
いよいよ大手旅行社も、着地型旅行に本格参入してきたのだ。なお着地型旅行とは、国土交通省(総合政策局旅行振興課)によると《旅行・観光の目的地である各地域(=着地)側が有する個別の観光資源(自然、歴史、産業、街並み、文化等々)に係る情報及び着地側での人びとの観点(例:各地域での体験・学習等の活動)を重視して企画・立案・実施されるのが『着地型旅行』である》。
《各地域が有する個別の観光資源のもつ魅力を旅行者が直接体験できるような旅行や観光へのニーズが強くなってきている。このようなニーズに対応できる旅行サービスは、基本的には各地域、すなわち着地側で発信する個別の観光資源に関する情報やその活用方策の提案が核となって旅行が実施されることから、これらは『着地型旅行』として捉える》。
※参考:地域密着型ツアー(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/d737a5ccd296ef6719d75fba50d6076d
その栄(は)えある県内第一号にならまちが選ばれ、奈良町情報館の藤丸タダアキさん自らがガイドされる、というのは素晴らしい。見学地の元興寺、今西清兵衛商店、松寿堂なども、適切な選択である。
県のポスト1300年祭構想(基本戦略)には《“巡る奈良”をテーマに周遊型観光地としての魅力を高めます》とある。その戦略の実現のためにも、「着地型旅行」への注力が必要だ。今後は、着地側(観光客を受け入れる地域)のツアー誘引力・情報発信力や企画力、地元の観光団体や地域おこし団体との固い連携が、ますます問われることになるだろう。
今回のJTBとならまちの連携は、その大きな第一歩である。奈良県は「自然、歴史、産業、街並み、文化等々」の「着地側が有する個別の観光資源」に満ちあふれている。地域おこしに携わる皆さん、ぜひタダアキさんに続いていただきたい。
※トップ写真は、奈良町情報館オープン時の写真(07.10.5)。右端が藤丸タダアキさん
掲載ありがとうございます。
昨年の1年間は奈良県ビジターズビューローの三浦氏にみっちりと旅行業界のシステムなどをご教授いただきました。旅行業界の重鎮と言われる方々にもお会いさせていただきまして、それを基に、今年の一年は流行会社との提携元年として事業を始めました。
着地型の商品作りもそうですが、観光というジャンルは宿泊施設もそうだと聞きましたが、
法整備が急務のようです。
30年程前の法律がまだ生きているそうで、
それを改正してもらえれば動きやすいと
宿泊施設の方も言われていました。
弊社の方でもまだまだ旅行業界の事を熟知しているわけではなく、少しずつ、形を作り上げることができればと考えています。
> 奈良県ビジターズビューローの三浦氏にみっちりと
> 旅行業界のシステムなどをご教授いただきました。
なるほど、そうでしたか。勉強の賜物なのですね。
> 法整備が急務のようです。30年程前の法律がまだ生きているそうで、それ
> を改正してもらえれば動きやすいと宿泊施設の方も言われていました。
旅行業法は5年ほど前に改正されましたが、まだまだ古い法律が生きているのですね。海外からのお客(特に欧米人)をならまちに誘致できれば、良いですね。何か良い方法は、ないものでしょうか。
まず、持て成す側にお客さんの情報や知識があまりありません。訪客への対応などは案内板だけに留まらず、総合的に対応を打たなければなりません。
そして、良く思うのですが、国や県などの方針も大事だとは思うのですが、
受け入れる側の成長と言うのが一番大事なのではないかと思います。
私の地元の町は観光地なのですが、受験の神様という事で脚光を浴びて、年間650万人~700万人の観光客が訪れますが、そのお蔭で育った産業もなければ、システムもない。地元の伝統工芸など廃れていく一方です。ただ、強引な政治力だけが存在し、受験生がいない世の中になると、次は国立博物館を作る事でまた人が押し寄せ、戦後に商店を立ち上げ頑張った人のほとんどが、今はテナントにして人に貸しています。
社会の成長に翻弄されている町の姿がそこにありました。今は韓国人が多いので韓国料理のお店が建っていました。
海外のお客さんが日本語を習得して、日本の常識を学んででも行きたいと思うようなもてなしのスキルを持つ事が理想かな思います。
> 海外からの訪客に対応することは「ならまち」のような
> まち歩き型の町には早急には難しいのではないかと考えています。
なるほど、インフラを整えないといけませんからね。まずは看板とパンフレットから、でしょうか。
> 受け入れる側の成長と言うのが一番大事なのではないかと思います。
> 社会の成長に翻弄されている町の姿がそこにありました。
> 今は韓国人が多いので韓国料理のお店が建っていました。
政治力にものをいわせた外的要因の変化に、「対処」しているだけなのですね。これだと、悪い意味での「大仏商法」です。
> 日本語を習得して、日本の常識を学んででも行きたいと
> 思うようなもてなしのスキルを持つ事が理想かな思います。
以前県主催の研修で、和倉温泉の加賀屋さんが、外国人を受け入れる際の注意事項を話されました。日本人が全く気づかないところで、不愉快に思われたり、喜ばれたりすることに驚きました。まずは、このような受け入れ体制を築かなければいけません。