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近畿自然歩道が通る山岳寺院・東明寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第77回

2020年11月18日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。先週(11/12)掲載されたのは「異国の面影、薬師如来/東明寺(大和郡山市)」、執筆されたのは奈良市在住の西慶子さん。西さんはこのコーナーでは、初の執筆となる。

東明寺は矢田寺の北にあるのだが、意外と知られていない。お寺のHPを見ていると、「散策のすすめ」というページがあった。そこには、大和郡山市 観光おすすめ 十三のコ-ス」のNo.10として、

自然豊かな矢田丘陵 東明寺から矢田寺
【距離】約 5 ㎞ 【所要時間】約 2 時間
横山口バス停→矢田坐久志玉比古神社→東明寺→矢田寺→横山口バス停


というコースが紹介されていた。5kmで2時間とは、手頃なコースだ。矢田坐久志玉比古(やたにいますくしたまひこ)神社(楼門に大きな木製プロペラが奉納されている)も参拝できるので、私もいちどチャレンジすることにしたい。では記事全文を紹介する。

横山口のバス停から徒歩30分、急坂を登ると東明寺(とうみょうじ)の山門にたどり着きます。樹々の香りに包まれた矢田丘陵の高所に建つ山岳寺院です。開基は693(持統7)年、日本書紀を編さんした舎人(とねり)親王によると伝わります。持統天皇の眼病回復を祈り、この山の霊水で眼を洗うとたちまち平癒したとのことです。

本尊の薬師如来坐像(ざぞう)には独特の魅力があります。二重まぶたの異国的な風貌に、引き締まった逆三角形の体躯(たいく)が力強く若々しい印象です。桜の一木造り、平安時代の作とされています。衣には濃い朱、肌には淡い朱が施されていました。
    
この像に付けられている板光背(いたこうはい)には、墨で見事な唐草文様が描きめぐらされていたことが、赤外線調査でわかっています。全面に踊るように翻る文様を、堂内の写真パネルで見ることができます。朱(あか)い薬師如来像と黒い唐草文(からくさもん)。そのコントラストは、本尊の持つ霊力をいっそう際立たせていたことでしょう。

山深く静かな境内に、子どもたちの賑やかな歓声がわき、驚かされることがあります。近畿自然歩道が境内を抜け、子どもの森へと向かうハイキングコースになっています。(奈良まほろばソムリエの会会員 西慶子)

(宗 派)高野山真言宗
(住 所)大和郡山市矢田町2230
(電 話)0743・52・7320
(交 通)近鉄郡山駅またはJR大和小泉駅からバス「横山口」下車、徒歩約30分
(拝 観)9~17時、500円要予約(6月1~15日は予約不要)
(駐車場)10台(300円)


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