寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第2704話) 子どもの力

2018年11月21日 | 人生

 “三十年保育士を続けてきたが、今春退職した。五十歳という節目で体力の不安も伴い、一度自分をリセットして人生を考えてみたかった。忙しい毎日が、急にゆったりとした。朝ドラを見て、洗履物を干す。仕事の時は夜干ししていたな。いつでも布団は干せる。暖かいうちに、ふかふかの洗濯物を取り込む。ワイドショーを見たり、主婦ならではの情報をメモったり。今年の猛暑は、クーラーの中でゆるゆると過ごした。
 でも、何か違う。やっぱり子どもの声が恋しい。今まで当たり前に聞こえていた声、心から癒やされるかわいい姿をいとおしく思い出す。子どもからもらうエネルギーは、やっぱりすごい。未来に向かって生きる子どもたちは尊いし、周りを元気にしてくれる。子どもは本当に宝である。
 やっぱり仕事が自分を生かしてくれていたとあらためて気づかされた。早速、就活スタート。ありがたいことに新しい職場が決まった。新しい仲間との出会い、かわいい子どもたちとの出会いを想像するとわくわくする。今まで学んできたことを感謝しながら種まきし、子どもと一緒に成長したい。未来を担う子どもたちが、明るく元気に幸せに育っていくことを願ってやまない。”(10月31日付け中日新聞)

 愛知県一宮市の主婦・北村さん(50)の投稿文です。人生を一度見直す、リセットする、これは大切なことだと思う。でも北村さんの50歳は早すぎた。30年保育士として働いて、この半年のゆるゆるとした生活に満足される訳がない。満足されたのはほんの一瞬であろう。そして再就職となった。でも、改めて子供との触れあいが必要と感じられ、再就職されたのだから良かったとしよう。
 これからは65歳も70歳も働く時代である。生涯現役とも言っている。人生の区切りがなくなる。仕事一筋もよかろうが、ボクには何の人生かと思う。「第2699話」に書いたように「いい老い加減」があると思う。地域活動など高齢者がしなければならないこともある。仕事を口実に避けているのは問題だと思う。仕事をしながらも、できることをして欲しい。高齢者としてしなければならないことをしながら、仕事をして欲しい。
 ボクの体験上から、50歳は60歳以降に向けて準備を始める頃だと思う。60歳以降のことを60歳から始めては遅すぎる。退職したらしたかったことを始めようとされるが、多くは中途半端で終わる人が多いと思う。いくら元気と言っても、熱意も根気も老いているのである。退職後の人生は千差万別、よく見極めねばならない。


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