“ある日のラジオ番組の投稿テーマが「私が不安を感じる時」だったので、私の死後の夫の行動が不安という話を送りました。その内容は、常日頃、夫に「私が先に死んで、私の大好きなこの家に女の人を上げたら、私は家鳴りという妖怪になって、家をガタガタ鳴らすからね」と冗談交じりに言っているというもの。
投稿は番組で取り上げられ、大変盛り上がりました。主人に向け、私の死後、もし家鳴りがしたら、取材に行くから連絡くださいと。そして、これは奥さんですよって言ってあげるからねとも。
嬉しくて、何人かの友達にこの話をしました。すると、なんとみんな家鳴りを知らないと言います。え~。家鳴りは、いたずらをして家を揺すったり、音を立てたりする小さな鬼のような妖怪です。家の天井からバキッなどと音がするたび、家鳴りがいるのね、と思っていた私。だれもが知っていると思っていたのに、共有できるものではなかったとは。
日本には、目に見えないものがたくさんいて、そんなものをあがめたり、おそれたりする文化があって素敵だなって思っています。「家鳴り」を検索して、画像を見てくださいな。とってもかわいいやつですよ。”(3月22日付け中日新聞)
愛知県豊川市の主婦・伊藤さん(60)の投稿文です。「家鳴り」、知らなかった。調べてみました。確かに言われるとおりでした。そしてラジオ番組でのやり取り、これでは盛り上がりますね。こういう話しが生きているのはいいですね。日本には八百万の神がいる、何でも神様にしてしまう国です。国民を一つの宗教でまとめ上げようとすると当然無理が生まれる。そして争いになり、戦争ともなる。ボクにしたら宗教で戦争なんて、最大の愚かに見える。世界はそんな国が多い。その点日本は大らかで良い。伊藤さんが言われるように「目に見えないものがたくさんいて、そんなものをあがめたり、おそれたりする文化があって素敵だ」は、ボクもそう思う。日本人は宗教心がない、と言われる人もあるが、排他的になるより余程良いと思う。
伊藤さん夫婦の話もいい。60歳にしてまだ嫉妬心がある。愛がある証拠である。この家に家鳴りはないだろう。