TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

九州山岳霊場遺宝

2021年11月28日 | 山にまつわる話
九州歴史資料館の特別展「九州山岳霊場遺宝」を見に、はるばる福岡県小郡市に行ってきました。
長崎から遠いので、県外の山の帰りに寄ろうと思っていたら、とうとう終了1週間前になったのであわてて行った次第です。

九州歴史資料館


玄関


大きな特別展のポスターが貼ってあります。


お目当ては、ポスター右上の仏像です。
これは天祐寺にある四面菩薩坐像です。
四面菩薩(四面神)はそもそも雲仙岳の神様で、四面宮(現在の諫早神社)にあったのですが、明治の神仏分離の折に天祐寺に移されたものです。私は天祐寺の近くに住んでいるのですが、この菩薩は一般に公開されていないので見ることはできません。
ところが、「九州山岳霊場遺宝」展では、この四面菩薩坐像をはじめ、九州北西部の山岳宗教に関係するが貴重な仏像などが一堂に集めてあるのです。
期間は12月5日までで、この機会を逃したらもう見ることはできません。そういうわけで、はるばる小郡まで行ったわけです。

展示物は撮影禁止だったので、ポスターを写しました。

これが「四面菩薩坐像」


ポスターの写真では何となく目が恐そうですが、そうではありません。この仏像を下から拝顔すると、全く別の表情になります。澄んだきれいな目を見開かれて、柔和な顔で何か思索をされているような感じを受けました。
「仏像は下から拝むもの」
以前、何かの本で読んだことが思い出されました。

隣には同じく天祐寺の「如意輪観音坐像」が展示されていました。
これも他の所から神仏分離の難を逃れて天祐寺に移されたものですが、それはそれは凜々しいお顔の仏像でした。四面菩薩は女性的な顔でしたが、こちらは紅顔の美少年といったところでした。写真で紹介できないのが残念です。

ポスターの右下は、これも長崎県のもので、金泉寺の不動明王像です。



この不動明王像は多良岳の金泉寺に祭ってあるものをその場で拝観したことがあります。
今は、諫早市美術歴史館に移されているので、この特別展が終わればこちらで拝観できます。

多良岳の金泉寺


金泉寺に祭ってあった頃の写真


この不動明王については以前のブログ、「太良嶽山金泉寺(3)~ 不動明王と二童子立像」に書いているので、こちらも覗いてもらえれば幸いです。


展示は地域別に展示してありました。

多良岳、雲仙岳
宝満山や若杉山を擁する三郡地域
浮嶽や雷山、背振山や天山を擁する背振山地
四王寺山

全部で55点の展示で、約2時間、ゆっくりと鑑賞しました。


最後に、ポスター左の、木目のきれいな仏像の紹介


これは若杉山の南側に伝わる十一面観音像で、年に一度だけ、4月の第1日曜日に開帳されるそうです。このように、めったに拝観できない仏像などが観賞できる贅沢な企画展でした。
ちなみに、入場料は210円で、65歳以上は無料です。
期間は12月5日まで(月曜日は休館)、あとわずかの展示期間です。
興味があられる方はお早めに。
コメント    この記事についてブログを書く
« 天祐寺の紅葉 '21 | トップ | 「紅道をゆく」 大興善寺 »

コメントを投稿

山にまつわる話」カテゴリの最新記事