TENZANBOKKA78

アウトドアライフを中心に近況や、時には「天山歩荷」の頃の懐かしい思い出を、写真とともに気ままに綴っています。

天山牧歌と天山歩荷

2012年10月30日 | エッセイ
佐賀県・古湯温泉の川沿いにて




 今はアタックザックが主流で、昔ながらのキスリングを背負って山に登る人はほとんどいない。キスリングをしょって登っている姿を後ろから見ると,まるで荷物が歩いているように見えるところから「歩荷」と言うんだそうだ。そう先輩に教わった。

 1週間から10日山に入る夏合宿の荷物は35㎏を超える。その合宿前のトレーニングの総仕上げが「天山歩荷」であった。砂を一杯に詰めたキスリングを背負い、ひたすら足下を見つめ、一歩一歩と前に進み天山山頂を目指す。佐賀県小城町の天山宮前から標高差で1000m。過酷なトレーニングだった。

 ネットで「てんざんぼっか」と入力すると「天山牧歌」がヒットする。私の「天山歩荷」が新参者ということになるので、「天山牧歌」を覗いてみた。中国語で書かれているので意味が分からないが有名らしい(?),というのも16万件もヒットするからだ。
聞捷という人の抒情詩集で1956年に出版されている。ここでの天山はあのシルクロードの天山山脈のようだ。私の天山は佐賀県の名峰天山である。

 さて、ワンゲルの天山歩荷は、全くの素人の新入部員が岳人になるための登龍門である。この儀式を乗り越えないことには合宿に参加できない。そこで、1年生は間違いなくバテまくる。
その過酷さを経験することでその後のトレーニングへの参加意識が変わるのだ。

 天山歩荷は,体力的なトレーニングとしてだけでなく,それ以上に精神的な支えとして重要な意味を持つ。合宿中の苦しいときは勿論のことその後の人生でも。
 そんな思いを詩にしたためた。(このブログ2回目の登場)


 蘇る あの日あの峰 遠い道
 燃ゆる思いを 胸に秘め
 ひたすら登った 天山は
 今も心に 映えて立つ
 涙しみ込む 俺の山

   忘れまじ あの日あの峰 遠い道
   同じ頂 夢に見て
   ともに築いた 青春は
   今も心の アルバムに
   波紋広がる 追憶か
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