この立派な桐箱の中味は1グラムのお香です。
先日祖母の誕生日プレゼントを探している時に、京都薫玉堂でであったお香です。
お香といっても、スーパーや100円均一にあるものからお香専門店で売っているものまで、本当にピンキリです。
このお香は伽羅というお香
人の心を清浄し落ち着かせる安らぎの香りという伽羅は、ベトナム周辺で採取されていますが、一部の地域でしか産出せず、近年産出量もわずかな最も貴重で高価な香木といいます。
言われれば、なるほど。
確かに伽羅の香りには甘みがあり、一瞬でその空間を不思議な世界に変身させてしまうパワーがあります。
だからこそ、値段も高価なのです。
最近高騰している金の価格は1グラム2000円台、プラチナは5000円台。
それに比べると、1グラム1万円の伽羅のお香は別格です。
今回初めてお香を購入したのですが、沈香やら白檀やらたくさんの種類のお香があります。
そのお香が日本で流通したルーツで面白い話を聞きました。
平安朝の貴族たちは、沐浴する機会が非常に少なかったため、体の臭いを消すために香をさかんに使用していたそうで、だからこそ香の文化が発達した、とのこと。
そんな日常生活の中から流行した文化であるとは驚きです。
平安貴族がお香を使用している姿が思い浮かべるとほっこりしますね。
この伽羅の1グラムのお香もたくさんの人たちに香りを運んでいます。1グラムとはいっても少量で香りがうまれるため何度も香りを楽しめるのです。祖母もお茶教室や身近な人たちと一時の香りを楽しんでくれたようです。
桜が散っていくすがたが「無常」の姿を感じさせるように、お香の香りが至福の時を運び、そして消えていくすがたの中にもなにか「言葉では言い尽くせない世界」を感じさせます。
何千年と変わらずに、たくさんに人に香りを運ぶお香は不思議なものであります。
(龍)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます